北朝鮮の脅威、欧州も肌で感じ始めた…韓国がやるべきこと(1)
北朝鮮がロシアに武器を支援するだけでなく兵力まで派兵した。専門家らは概して北朝鮮軍の派兵がロシアにもたらす効果は少なく、北朝鮮には内部的に相当なリスクを負うとみている。ところがこうした見方を対外メッセージとして送り出すことに対しては国益の観点で再考する必要がある。 専門家らの意見は妥当と思われる。北朝鮮の派兵規模は、ロシアがウクライナに反撃するうえで戦略的な効果を生むのは難しいとみられる。また、いくら精鋭兵力とはいえ、特殊戦部隊は自分たちの浸透またはかく乱の後に戦闘のテンポを継続する主力部隊を支援する機能を持つ。ロシア軍で構成された主力部隊と歩調を合わせてこそ役割を果たせるが、言葉も通じず、共同訓練をした経験もなく、現地戦場にも慣れていない。 北朝鮮内部の混乱が予想されるという点にも共感する。派兵は武器支援とはレベルが違う国内的な波紋を呼ぶだろう。愛民主義を強調しながら若い世代を重視すると言いながら北朝鮮の青年を死地に送り出す金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に対し、北朝鮮の若者はもちろん、親の世代の背信感と怒りが強まるはずだ。ウクライナ戦争後には北朝鮮の内部圧力を緩衝する外部資源を確保するのが難しくなり、北朝鮮急変への対応が必要だという主張も説得力がある。 ◆派兵成功のための北朝鮮のビルドアップ ロシアは3年近い戦争で本土まで攻撃を受けた中、兵力不足に苦しんでいる。2024年10月現在、ロシアは開戦時に投入した兵力の90%を喪失し、これまで11万3000人ー16万人が死亡、50万人が負傷した。特に過去6カ月間に死傷者数が急増しているが、9月には一日平均1000人以上のロシア軍死傷者が発生しているという報道があった。兵役忌避と脱営も多く、ロシアは北朝鮮の派兵を恵みの雨のように感じるだろう。 また、北朝鮮政権は成果のある派兵にしようとそれなりに最善を尽くしてきたと判断される。数カ月間にわたり別途の訓練をしてきたと予想され、戦闘員の士気を高めようとし、部隊だけでなく指揮官を共に派遣した。指揮官のキム・ヨンボク副総参謀長は2017年に第11軍団長として確認された人物だ。3月に西部地区重要作戦訓練基地、同じ月に航空陸戦兵部隊訓練、その後は9月に特殊作戦武力訓練基地、10月に西部地区特殊作戦部隊訓練基地など、ほとんどすべての軍事訓練基地および訓練に対する金正恩委員長の現地指導に同行した。 3月に訪問した基地の写真の装備と訓練の姿を考慮すると、この基地も特殊部隊基地だった可能性が高い。なら、この時から派兵に備えて現地状況に合わせた集中的な訓練を実施したと考えられる。さらに金委員長が3月から約6カ月間、意図的にこれら訓練現場を訪問したのなら、これには最高指導者の格別の関心とその後の物質的待遇および思想的武装が与えられたはずだ。金委員長はそのたびに「百人力」の戦闘力を強調し、「現代戦」にふさわしい「本物の戦力」になることを強調した。