東京ストリート名物こってり「カミヤ」味 俺流貫き売り上げ200%増量
ソスウが運営するメンズブランド「カミヤ(KAMIYA)」の2025年春夏コレクションは“マニッシュ・ボーイ”をキーワードに、神谷康司デザイナー流の“男らしさ”をストリートウエアに凝縮させた。スタイルはアメカジやワークを中心に、スケーターやラッパーのルーズなシルエットを取り入れ、グランジ調の加工をたっぷり盛り込んだ濃厚な“男”のバランス。とはいえ重々しさはなく、むしろ軽やかに見えるのは、根底にある陽気なムードだろう。そのポジティブな“チャラさ”が「カミヤ」のスタイルを支えている。 【画像】東京ストリート名物こってり「カミヤ」味 俺流貫き売り上げ200%増量
強打者ぞろいのアイテム群
神谷デザイナーは、会場に秋葉原のキャンプ練習場「キャンパス(campass)」を選んだ。山手線の高架下という異様な空間で、電車が通過すると轟音が一帯に響き渡る。ファッションショーという非現実的なイベントと日常の環境音を融合させ、BGMのジャズが雨上がりの生暖かい湿気を熱気に変えていった。
ベースとなるのは、加工デニムのアイテムの数々だ。ヒッピー風のジーンズを高解像度でスキャニングしたトロンプルイユや、グリーンなどの色味を意識したオーバーダイで、デニムのバリエーションを拡充。ワイヤーを使って、シルエットにゆがみやうねりを加えた。さらにバックサテンの加工にも挑戦し、トップスの表面には繊細なシワでニュアンスをプラス。全体的にダークトーンで無骨さはあるものの、荒々しいカットアウトやダメージ、強弱のリズムをつけたシルエットで“隙”をデザインし、未熟で前のめりな少年性を表現した。
ジーンズに合わせたテーラードジャケットには、神谷家の家紋をモチーフにしたアゲハ蝶を刺しゅうする。 代々の先祖から受け継いできた“男たるものの責任”を背中で感じながら、男たちを鼓舞し、讃え、強く、強く前進していく意思を示す。ブランドの売り上げを支えるニットも表情豊かで、単品でも存在感を放つ強打者をそろえた。
つかんだ“らしさ”を武器に