業種ごとの「ボーナス格差」が浮き彫りに!? 2023年「冬ボーナス」はどうなる? 夏の平均支給額も振り返る
クリスマスと年越しが近づいてきています。この時期はクリスマスプレゼントや帰省など、なにかと出費が重なるので、冬のボーナスを待ち望んでいる人も少なくないでしょう。 民間シンクタンクの予測によれば、2023年冬ボーナスは前年比でプラスが期待できるようです。しかし、実際のボーナス額は業種によってかなりの違いがあるのはご存じでしょうか。この記事では業種ごとのボーナス金額差について紹介します。
2023年夏季ボーナスも業種ごとにばらつきあり
厚生労働省の毎月勤労統計調査により、2023年の夏季ボーナスの情報が公表され、全体としては前年比+2.0%(39万7129円)となりました。 しかし、業種によっては前年比にはかなり違いがあり、不動産・物品賃貸業(前年比+32.7%)、生活関連サービス等(同+18.4%)などが好調だった一方、鉱業・採石業等(同-7.5%)や飲食サービス業(同-6.0%)は前年比を大きく下回る結果となっています。 図表1 前年との差が大きな業種
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等から抜粋し作成 ただし、図表1のとおり、前年比の結果とボーナス支給額の大きさは関係がありません。賞与支給額が小さい業種ほど、前年比が大きくなる傾向にあります。賞与額は業種ごとに大きな差があり、例えば「電気・ガス業」と「飲食サービス業等」では70万円近い差が見られます。 図表1、図表2の前年比は2022年と2023年の夏ボーナスの比較ですので、今冬のボーナス格差がどれだけ開くかはわかりません。 しかし、前年比-3.6%でも70万円を上回るボーナス額である、電気・ガス業と、同+18.4%でボーナスが18万円の生活関連サービスのボーナス額が逆転するのは難しそうです。そう考えると安定してボーナスの額が高い業種はうらやましく感じますね。 図表2 業種による平均賞与額の差
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等から抜粋し作成 ボーナスに関する報道やニュースを見ると、「ボーナスが増えるのは大企業だけだろう」と考える人もいるかもしれませんが、実際には2023年の夏のボーナスでは、事業所規模による前年比が唯一マイナスになっていたのは500人以上の大企業だけでした。これは興味深い傾向といえるでしょう。とはいえ、事業所規模が大きいほど賞与額も大きくなる傾向にあります。 「ボーナスが多い会社や職種」などの情報は比較的簡単に探すことができ、上位に掲載されている企業は多くの人が知っている大企業ばかりです。多くが平均年収が高い企業ですが、年収の中におけるボーナス比率は会社ごとに違いがあり、ボーナス比率が高い会社もあるようです。 一方でこの調査結果は5人以上の事業所規模を対象としているので、これよりも小さい会社の実態はここからではわかりません。ボーナスをもらえるだけでもありがたいと思うほうがよいかもしれませんね。 図表3 事業所規模5人以上の事業所規模ごとの賞与額