半世紀前の複写機が「遺産」認定 30万円前半で当時最速複写 シャープ
シャープが1972年に発売した、同社初の複写機「シャープファックス」SF-201が、日本画像学会(藤井雅彦会長)の「複写機遺産」に認定された。 【関連写真】「シャープファックス」の当時のカタログ シャープの事務機事業は、64年に世界初のオールトランジスタ式卓上計算機に始まる。72年に発売したシャープファックスにより、ドキュメント事業に参入した。 シャープファックスは、幅50センチメートル、奥行き41.5センチメートルと卓上に設置可能なサイズながら、72年当時の30万円前半の複写機カテゴリーで最速となる毎分10枚の複写速度を実現。電源やプリントボタンといった操作部のほか、状態表示ランプや枚数カウンターなどの表示部を前面に集約。設置性や性能、使いやすさが評価され、大企業や中小企業、一般商店、学校などさまざまな業界へと普及が進んだ。 複写機遺産は、日本の複写機産業発展の原動力となった初期の複写機の技術的・社会的功績を顕彰し、文化的遺産として後世に伝えるための認定制度。日本画像学会が18年に創設した。
電波新聞社 報道本部