Z世代の目線で考えた“エアポートライフツーリズム”とは? 成田国際空港がワークショップを実施
人材不足、人口減少の課題に真っ向から取り組む機会へ
成田国際空港株式会社(NAA)が実施主体となり、三里塚地区の魅力や資源について考えるワークショップの一回目が8/9に開催。東京都内に在学する大学生8名を中心に三里塚住民、成田国際空港株式会社の若手社員、成田市職員など約30名が参加した。 本企画は、成田国際空港が提唱する“エアポートライフツーリズム”創出事業の一環として行われる。「日本最大の国際空港で様々な国の人々と触れ合いながら働き、旅するように生活する」という理念の基、多岐に渡って取り組みを行う予定だ。 その背景にあるのは、 “人手不足”の深刻化である。コロナ禍で多くの空港従業員が離職、その後急回復を見せたインバウンド需要に対し、成田国際空港ではスタッフ不足が続いている。2029年の新滑走路が供用開始されれば、現在の2倍の人員が求められるという。そのため、人材確保は喫緊の課題なのだ。 また空港職員の確保には別のメリットも。シフト勤務・危機管理など空港業務の特殊性から、多くの空港職員が空港周辺地域に居住している。実際に空港従業員の居住地は、近隣市町で約53%、近隣市町を除く千葉県内で約34%、その他で約14%と5割超が近隣市町で生活。職員の確保は周辺地域の定住人口の増加、ひいては町おこしにもつながると期待されているのだ。
Z世代を招き、実現可能な企画をワークショップで模索
こうした現状を踏まえ、成田国際空港株式会社と隣接地域(三里塚地区)が連携。今後の航空人材として期待されるZ世代の大学生や留学生には、地域の見学やワークショップに参加してもらうことで、空港で働き、周辺地域に暮らすことの魅力を発掘し、その良さを体験できるコンテンツを企画するものだ。 ワークショップ当日は、はじめに「成田市さくらの山公園」で飛行機の離着陸の見学、ギネス記録を持つ航空写真家で、三里塚に移住したチャーリィ古庄氏による飛行機や空港、移住してみてわかった三里塚の生活環境の良さを教えてもらえる ラインナップ。昼食には、かつては皇室の御料牧場の歴史をもち、園遊会でのジンギスカンの振る舞いは成田発祥ともいわれるジンギスカンについて、地元精肉店の特製弁当 が提供され、参加者らが舌鼓を打った。1935年創業の老舗落花生販売店である「戸村商店」の風情たっぷりの工場も見学。積み重ねた歴史に、参加者は皆感銘を受けた様子だった。