【ウエストランド河本太の『人生相談する側チャンピオン』】第2回 爆笑問題さん! 僕は井口の隣でうなずいていればいいんですか!?
――ネタ作り担当でない河本さんが、田中さんのようにこれからダジャレを作り続けるなんていいんじゃないかと思ったんです。 田中 ......いやダメでしょ(笑)。 一同 (笑) 河本 まず出しどころがないし(笑)。 太田 そうなんだよ。河本がダジャレを書いたとして、それをいかに面白く見せるかっていうことこそが漫才師の腕なんですよ。さっきの話もそうなんだけど、河本がネタを書いて面白くなかったとしても、それを面白いように見せるのが芸なの。だから、誰がネタを書いたかなんてたいして重要ではなくて、その瞬間にいかに表現するかのほうが重要なわけなんです。だから、ウエストランドはやってないと思うけど、俺らは早々に作家を入れたのね。 つまりネタを作るのは誰でもいいと思ったわけですよ。爆笑問題のネタなんて誰でも考えられる。そこが重要なんじゃなくて、「ここはもっと強い表現にしよう」とか、「コイツのフリをこうしたほうが面白い」とか、大事なのはそういう表現の微調整のほうなんですよ。それでなんとなく面白いように見せるっていう。 「ボキャブラ」もそうだよな。例えば「ジョニーが来たなら伝えてよ、二次会庄屋だと(二時間待ってたと)」ってネタがあるんですけど、あれなんて誰でも思い付く、もうどうしようもないネタじゃないですか。 田中 いやアレ一番気に入ってんだから! パチンコしてる時に思い付いてさ。 一同 (笑) 太田 あの程度のものなんて誰でも考えられる。でも、それを言う前のシチュエーションをいかにシリアスに演じるかとか、そういう落差で笑いが生まれるんです。 河本 そういう意味では、ウエストランドがM-1で優勝できたっていうのは、自分もそういう演技ができてたからなんですかね。 太田 まあそういう意味では一番ハマったんだろうね。ネタの面白さより何より、あの「コンテスト」っていう場にハマるっていうことが一番重要なんだと思うよ。 爆笑問題からの回答②「うなずいているだけじゃダメ! ネタは誰が作ってもいいから、それをどうやって面白く見せるか研究すべし!」 *** ■河本太(こうもとふとし)タイタン所属。1984年1月25日生まれ。岡山県津山市出身。2008年に同級生の井口浩之とウエストランドを結成。M-1グランプリ2022チャンピオン。リフォーム会社に勤めていた経験から電気工事、配管工事が得意。趣味は登山、キャンプ。 ■爆笑問題(ばくしょうもんだい)タイタン所属。ともに1965年生まれの太田光、田中裕二が日大芸術学部で知り合い1988年に結成。数多くのテレビ・ラジオ番組のレギュラーや執筆活動を抱えながらも、隔月開催される「タイタンライブ」では新ネタで出演している。 取材・文/酒井優考 撮影/山添 太