「りくりゅう」ペアが5年ぶり2度目V 今季自己最高のフリーに三浦璃来「自信になった」/フィギュア
フィギュアスケート・全日本選手権最終日(22日、東和薬品ラクタブドーム)ペアの三浦璃来(23)、木原龍一(32)=木下グループ=組がフリーで今季自己ベストの138・17点をマーク。ショートプログラム(SP)に続いて1位となり、合計212・33点で5年ぶり2度目の優勝を果たした。2位の長岡柚奈(19)、森口澄士(22)=木下アカデミー=組とともに、世界選手権(来年3月、米ボストン)代表を確実にした。 5年ぶりに全日本選手権に帰ってきた「りくりゅう」が、その思いをリンクで表現した。総立ちになった観客が「RIKU RYU」のバナータオルを掲げる。三浦、木原組が2度目のV。前回とは違う表彰台の光景に実感を込めた。 「5年前は(出場)1組で写真とか撮っていた。今回は(表彰が)3組で本当に感慨深かったです」 三浦がうれしそうに笑った。3回転トーループが回転不足になるなどミスはあったが、フリーは138・17点で国際スケート連盟(ISU)非公認ながら今季の自己最高。三浦は「自信になった」と手応えを得た。 結成初年度の2019年から「いろんなことがあった」と、三浦が振り返った。同年の全日本に出場したのは「りくりゅう」だけ。翌20年には新型コロナ禍のため、練習拠点のカナダから「1年半ぐらい日本に帰ることができなかった」という。 コロナ禍が収まった22年にはグランプリファイナルのペアで日本勢初優勝。しかし、出場予定だった同年末の全日本は、カナダからの帰国便の大幅遅延とロストバゲージで欠場を余儀なくされた。それでも、2人の背中を追って国内でもペア結成の機運が高まり、今大会は4組がエントリー。表彰台には3ペアが上り、三浦と木原も笑みが絶えなかった。 ISUは26年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の予選に、強豪のロシア勢が個人の中立選手として参加することを認めた。「想定内。彼らの技術力は世界トップ。追いつけるように努力していかないといけない」と木原。来年2月の四大陸選手権(ソウル)出場に意欲を示した上で、3月の世界選手権で2季ぶりの優勝を狙う。 「納得のいく滑りができるように練習を増やしたい」と三浦。強敵たちとの戦いに備え、レベルアップにいそしむ。(西垣戸理大)