九州の半導体投資、経済波及効果は23兆円…九経調推計を上方修正
九州経済調査協会(福岡市中央区、縄田真澄理事長)は、2021―30年における九州地域への半導体関連設備投資の経済波及効果を23兆300億円と推計した。23年12月の公表値20兆770億円から上方修正した。地場地銀13行の連携体「Q―BASS」との協業で、地場企業の設備投資案件を追加するなど分析を精緻化した。対象地域は九州7県と沖縄、山口両県。 分析対象は、熊本県に進出した台湾積体電路製造(TSMC)をはじめ、国内大手や地場企業が1億円以上をかけて設備投資する201件(総額6兆1820億円)。域内の産業連関により設備投資と生産活動に由来する直接効果と1次・2次間接効果を推計した。 このうち地場企業の案件は110件(同1194億円)だった。同様の試算で、1兆2570億円の経済波及効果があると分析した。投資額ベースの9割以上がTSMCの進出発表後に計画、実施されているという。 九経調は「大手やグローバル企業による投資だけでなく、地場企業による底上げにつながっていることがわかった」としている。