なでしこジャパンは“パリ五輪で金メダル”獲得できる!? “スペイン”“ブラジル”相手にグループリーグをどう戦う? 佐々木則夫元監督が分析
スポーツジャーナリスト・中西哲生と横山ルリカがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「TOKYO TEPPAN FRIDAY supported by Ginza Sony Park」。7月26日(金)~8月11日(日)の期間で「パリ2024オリンピック(以下、パリ五輪)」が開催されますが、その直前の7月13日(土)には国際親善試合「MS&ADカップ2024~能登半島地震復興支援マッチ がんばろう能登~」が開催予定です。 そこで「なでしこジャパン めざせ!世界No.1」のコーナーでは、パリ五輪と今回の国際親善試合をより楽しむために、さまざまなサッカー関係者をゲストにお迎えしてお届け! 4月26日(金)の放送では、元なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)監督の佐々木則夫さんが登場。パリ五輪の注目ポイントやなでしこジャパンの注目選手、さらには「MS&ADカップ2024」の見どころなどを伺いました。
1958年生まれ、山形県出身の佐々木さんは、明治大学を経てNTT関東サッカー部(大宮アルディージャの前身)で選手・監督として活躍したのち、2006年になでしこジャパン(サッカー日本女子代表)コーチに就任し、翌年の2007年に監督に就任。そして、2011年にドイツで開催されたFIFA女子ワールドカップで、男女通じて日本初の優勝に導き、2012年にはFIFA女子世界年間最優秀監督賞も受賞。その後、2021年から日本サッカー協会女子委員長をつとめています。
◆強豪ぞろいの“グループステージ”勝ち抜くポイントは?
まず佐々木さんは、なでしこジャパンも出場が決定しているパリ五輪について、「選りすぐりの12ヵ国しか出場できないので、どこが勝っても負けてもおかしくありません。強豪国同士がしのぎを削るのでとても大変ですけど、これがまた楽しいんですよね」と期待を寄せます。 パリ五輪の女子サッカーは、熾烈な予選を勝ち抜いた12ヵ国が4チームずつ3グループに分かれてグループステージを戦います。そして、各グループ上位2チームと各グループ3位のうち成績が上位の2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出します。 4月26日現在、FIFA世界ランキング7位のなでしこジャパンは「グループC」に入り、第1戦は世界ランキング1位で「2023 FIFA女子ワールドカップ」覇者・スペインと対戦することが決まっています。 初戦から強豪国とぶつかりますが、昨年開催の「2023 FIFA女子ワールドカップ」のグループステージで対戦した際は、日本が「4-0」と完勝しているだけに、「タイプ的には勝てない相手ではない。ただ、相手がまた同じようなスタイルでくるかどうかという読めないところはあります」と分析します。 続く第2戦は、佐々木さんが「非常に身体能力が高く、ドリブルがうまい選手が揃っています」と評するブラジル(世界ランキング10位)。直近では、今年4月におこなわれた「2024 SheBelieves Cup」3位決定戦で対戦しましたが、その際はPK戦までもつれた結果、悔しい敗戦となりました。 この試合について、佐々木さんは「日本のPKが置きにいくキックになってしまって、それをブラジルのキーパーにすべてセーブされてしまったんですね。そういう悪い経験も良い糧にして進んでいかなければならない」と力を込めます。 そして、第3戦はナイジェリア(世界ランク36位)。佐々木さんはアフリカ勢に対し、「独特のリズムや身体能力があり、本当にやりづらいチーム。ヨーロッパの指導者が入ってきて戦術的にもまとまってきたので、穴があるチームではなくなってきた。簡単に勝てる国ではないですね」と分析し、特にナイジェリアは「世界大会の経験を積んでいて、個々の質も高い」と評します。 ここで中西が、難敵との戦いが続くグループステージの“理想的な戦い方”を聞いてみると、「まずスペイン戦では、しっかりと守ってカウンターが狙えるかどうか、というところがありますが“勝ち点1”は取りたいですよね。初戦を終えたときに、勝ち点1か0かではまったく違うので。もちろん、勝利にはこだわりながらも“勝ち点は必ず獲得する”ということを意識してスタートすれば、グループリーグは必ず突破できると思います」と声を大にします。