潜在保育士が約4割、希望雇用形態はパート 長野県が実態調査
長野県は7日、同県に保育士登録している人や県内保育所、県内保育士養成校に通う学生を対象にした実態調査の結果を公表した。保育士登録している人で回答があった4385人のうち、約4割(1725人)が保育士として働いていない「潜在保育士」であることが明らかになった。 調査は1~3月に実施。県がこのような保育の大規模調査を行うのは初めてだ。保育士登録している65歳までの2万2061人から4385人、認可保育所や認定こども園など計660施設から211施設、9養成校の学生964人から494人の回答が得られた。 調査によると、潜在保育士1725人のうち、過去に保育士として働いたことがあるのは61・7%(1065人)に達した。退職理由は「職場の人間関係」(25・5%)が最多だった。再就職のために使いたい支援・制度は「短時間勤務」「休日労働の免除」を望む人が多く、希望する雇用形態はパートタイムが多かった。 保育士として働いている2660人のうち、75・6%が今後も働き続けることを希望していた。一方、働いている中での課題や悩みを尋ねたところ、「発達に遅れのあるこどもへの対応」が56%で最も高く、次いで「保護者への対応」(49・7%)、「賃金、福利厚生」(49・5%)だった。現在の職場で改善を希望することは「給与・賞与などの改善」がおよそ7割で最多だった。 保育所への調査では、過半数の施設がICT(情報通信技術)を導入していることが分かった。 県こども・家庭課の担当者は「調査結果を分析して、保育士の離職防止策や潜在保育士の就職支援策の検討に生かしたい」と話した。