【イベントレポート】映画「ふれる。」前田拳太郎が「笑顔を届けられたら」、長井龍雪は家屋の描写語る
長編アニメーション映画「ふれる。」のスペシャルステージイベントが、本日9月21日に京都のロームシアター京都で開催。監督の長井龍雪、声のキャストである前田拳太郎、白石晴香、石見舞菜香が出席した。 【画像】観客ジャッジで1位になったキャッチコピーを見せる石見舞菜香 本作は、不思議な生き物“ふれる”の力で心をつなぐ20歳の幼なじみ3人組の友情を描く物語。同じ島で育ち、高田馬場で共同生活を始めた彼らは、体に触れて互いの心の声を聞いていた。しかし“ふれる”に隠されたもう1つの力が徐々に明らかになるにつれ、その関係性が変化していく。永瀬廉(King & Prince)・坂東龍汰・前田が、幼なじみである小野田秋・祖父江諒・前田拳太郎をそれぞれ演じた。白石・石見は、学生時代からの友達である鴨沢樹里役・浅川奈南役でそれぞれ起用されている。 「京都国際マンガ・アニメフェア2024」内の京まふステージで行われた同イベント。「ふれる。」の封切りまであと2週間となった現在の心境を問われると、長井は「まだ不安のほうが大きいです。もう映画本編は完成して修正もできない、でもまだお客様には観てもらえていない。この期間はとてももどかしい気持ちです」と率直に明かす。映画のPRで各地を回った際のことを尋ねられた前田は「名古屋や大阪では試写会上映前の舞台挨拶に登壇したので、映画をご覧になったお客様の反応を見ることができなかったんです。ただ(試写上映後に登壇した)東京では皆さんが温かい優しいお顔をしていたので、映画を楽しんでいただけたのではないかと思っています」と答えた。 続いて、新場面カットの解禁とともにトークは進行。秋たちが共同生活を送る家屋の描写について話を振られた長井は「こういう古民家のような家を何件かロケハンし、いろんな要素を取り入れて作りました。例えばこの場面に描かれている家の本棚。諒は不動産会社の営業なので、家にも不動産の資料が入ったファイルが置かれている。玄関もよく見ると靴の箱が積まれていて、これは優太が服飾関係の専門学校に通っているので靴がいっぱいあるというところから。細かく描いてみました」と説明する。それを聞いた前田は「何度観ても新しい発見がありますね」と目を輝かせた。 前田・白石・石見が本作のキャッチコピーを考えるコーナーも実施された。「景色と共に記憶に残りあなたの心に必ずふれるトゲトゲしみじゅわ作品」と回答した白石は「長井監督の作品は、景色と一緒に物語が残るなと思っていて。『ふれる。』も1つひとつの描写や空気感が景色として心に残りやすいなと思ったので入れたかったんです。トゲトゲはまさに“ふれる”のことで、しみじゅわは観終わったあとすぐだけじゃなく、余韻にも浸れるということ。そこがいいところだと思うんです」と話した。石見は、長井が手がけた“秩父3部作”こと「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」「空の青さを知る人よ」のタイトルの単語にちなんで「知らなかった心を知る。ふれる。」と答えた。トリを務めた前田は「大切なあなたの心にふれたい。」と発表し、「悩みを言うのが恥ずかしくてつい自分で消化してしまいますが、この作品を観たらもっと言葉で伝えて、仲いい友達のもっと深いところまで触れたくなるような気持ちになりました。その思いを込めています」と説明した。その後、観客によるジャッジが行われ石見のコピーが1位に。今後PRに使用される予定となった。 締めの挨拶で石見は「何度観ても心に響く作品です。人として大事なことを改めて教えてくれるような素敵な作品になっていると思いますし、観終わったあとに『ふれる。』というタイトルが愛おしくなりました」とコメント。白石も「本音で誰かとぶつかること、会話をすることが少し怖くなってしまうこともあります。けれど本音で向き合いたくなる作品です」、アニメ好きで秩父3部作も観ていたという前田は「僕はアニメに感動をたくさんもらってきたので、今度は届ける側として、笑顔を届けられたらうれしいなと思っています」と述懐した。長井は「“ふれる”がとてもかわいく仕上がったと思います。スタッフ一同がんばりましたので、そのかわいさを劇場のスクリーンで楽しんでいただけたらと思います」とアピールしてイベントの幕を引いた。 岡田麿里が脚本を担当し、CloverWorksがアニメーション制作を担った「ふれる。」は10月4日より全国ロードショー。 (c)2024 FURERU PROJECT