ピンチに強い健大高崎・山田、「投手王国」を支える左腕の成長に期待【昨秋輝いた球児たち】
昨年秋の関東大会で準優勝した健大高崎(群馬)は、「投手王国」といっていいほど、投手陣が充実している。今年のセンバツ出場をほぼ手中に収め、連覇を狙うことになるが、「投手王国」を支える、この左腕の存在も忘れてはならない。 山田の群馬、関東大会の投手成績一覧 山田 遼太投手(2年)は、昨年秋は背番号11として、群馬大会、関東大会に登板した。先発は1試合で、その他3試合で救援登板したが、計8イニングで失点は0。飛び抜けた球速はないが、低めへ制球する直球と変化球で打たせて取る。 関東大会準決勝の千葉黎明(千葉)戦。8回から1イニングを投げて無失点に抑えたが、山田の真骨頂が表れたマウンドだったかもしれない。先頭打者の初球をいきなり安打にされて、味方の守備の乱れもあって1死二、三塁とピンチを背負った。しかし、ここで動じない。相手の4番打者をファウルで追い込み、最後は詰まらせるようなセンターフライに仕留めた。タッチアップした三塁走者が本塁でアウトになって併殺が完成。精神的にも安定している左腕は、涼しい顔でベンチに戻っていた。 最速158キロ、右腕エースの石垣 元気投手(2年)、大型左腕の下重 賢慎投手(2年)、故障でリハビリ中の佐藤 龍月投手(2年)の陰に隠れてはいるが、安定した投手力を下支えする山田の役割は大きい。この冬のトレーニングで、安定したピッチングに磨きがかかることを期待したい。