『笑点』卒業の林家木久扇86歳、波乱万丈の “おもしろ”人生~③息子・木久蔵を有名にする秘策、卒業を決断した理由
落語家の林家木久扇さん(86)が3月末で55年にわたり出演した『笑点』を卒業。笑点史上歴代最年長&最長出演記録を更新し続けてきた木久扇さんに、日テレNEWSがレジェンドたちの体験談から“未来のきっかけ”を考える特別企画でロングインタビュー。 【動画】笑点デビューのきっかけは銭湯 木久扇のおもしろ人生 第3弾は、木久扇さんが息子・木久蔵さんを有名にする秘策、落語界史上初の親子ダブル襲名を成し遂げたエピソードや、55年にわたり出演し続けてきた『笑点』卒業のキッカケなどをたっぷりと振り返っていただきました。
■息子・木久蔵を有名にする秘策~親子ダブル襲名
息子の今の木久蔵が真打ちになると決まった時にどうするの?と僕が聞いたら「有名になりたい」って言ったんです。僕は父親ですから、あいつ有名になるって急に売れるにはテレビ露出とかあるんだけど、あいつも急になるわけはないよな、どうしようと思って。有名になりたいって言っているんで、そうだ!僕はもう顔が売れているから、他の名前になっても世間はわかるだろう。こいつは俺の名前かぶせたら有名になれるだろう。木久蔵っていうのはどう?って言ったら「やだよ。お父さんの名前なんか」。でもちょっと考えてみなって。1 週間たったら僕の所へ言いに来たんですよ。「木久蔵にならしてくれ」って。 僕の名前がなくなるわけですよね、木久蔵に譲って。新しい名前をつけるんで、それをネタにして引っ張れないかと笑点で。それをお話ししたら面白がってくださって、名前を募集しようと笑点の中でいろいろ募集したら3万通集まりました。木久蔵さんの次の名前っていうので、ろくなのがなくてね。林家木造二階建てとか、 林家元木久蔵とかね、林家寿限無とかね。
そのなかで木久扇っていうのがありまして、扇という字が入っているし、落語家の名前にはいいなと思って、木久扇にしてもらって、視聴率はずっと引っ張っていったわけなんですね。その勢いで全国ツアーやったんですよ。関西方面だと今の(桂)文枝さん、三枝さんが助演してくれて。それから(笑福亭)鶴瓶さんとかね、(立川)志の輔さんとか。82か所全国まわりました。相当な動員数でね、落語のファンは増えたと思う。成功しましたね。