ティモシー・シャラメ映画5選!
知性と格闘術に優れた主人公を演じる!『DUNE/デューン 砂の惑星』
舞台は宇宙帝国の統治下にある、砂漠の惑星デューン。皇帝の命により、希少スパイスの採掘を統率することになったアトレイデス公は、家族や家臣らとともにこの地にやってくる。しかし、これは罠であり、公は宿敵の男爵の攻撃を受けて命を落とした。公の息子ポールは復讐を誓い、母とともに砂漠へと逃走。砂漠の原住民フレメンとの出会いは、やがて彼の運命を大きく変えていく。 デヴィッド・リンチ監督の映画化でも知られるフランク・ハーバートのSF小説を、『ブレードランナー2049』(2017年)のドゥニ・ヴィルヌーヴが壮大なスケールで映像化。主人公ポールは若気がいたってしまう部分もあるが、剣術や格闘術の訓練を受けており、知性もある。そんな彼の砂漠での成長を、シャラメは背筋の張った存在感とともに熱演。父の仇との宿命の対決へと発展する続編『デューン 砂の惑星PART2』は2024年3月15日に日本公開予定。
人食い青年の繊細な感情を表現!『ボーンズ アンド オール』
人肉食の欲求に目覚め、それにとまどいつつも自身のルーツを探るため、生き別れた母の実家へと旅をする18歳の少女マレン。旅の途中で、彼女は何人かの“人食い”の同族と出会う。なかでも、意気投合したのがリーという青年。どこか陰のある彼とともに、マレンは普通の暮らしをしたいと願うようになる。リーもそれに応え、ふたりはカップルとして暮らしはじめるが……。 『君の名前で僕を呼んで』に続いて、ルカ・グァダニーノ監督と組んだホラーテイストの青春ラヴストーリー。人肉食というタブーに切り込みつつ、そんな嗜好ゆえに孤独や疎外を感じている若い男女のふれあいを描く。血まみれになれながら人肉を食らう“人食い”たちの描写は衝撃的だが、そんなキャラクターに繊細な感情を宿らせることができるのがシャラメの強み。同族の少女との恋を表現しながら、異形の者の悲哀を鮮烈に浮かび上がらせる。
文=相馬学 text:Manabu Souma