韓国電気自動車、EUへの輸出増やす機会…中国、欧州生産時は効果ない可能性も
急速に成長している中国の電気自動車に対する先進国の牽制が強化され韓国の自動車業界が利益を得られるか注目される。 中国製電気自動車に関税が本格的に課される場合、欧州市場で中国製電気自動車の成長は鈍化するほかない。米国も先月27日から中国製電気自動車に100%の関税を課している。中国政府が電気自動車産業に補助金を支給し米国内自動車産業を威嚇しているという判断からだ。 中国の自動車メーカーは高い関税を避けるため現地に工場を作っている。BYDはハンガリーに工場を建設中で、トルコにも別の工場を建てる予定だと発表した。スペイン、イタリア、ポーランドでも投資を推進中だ。吉利、東風、小鵬などの企業も欧州で未来工場の建設地を物色しているという。 今年韓国の自動車メーカーの電気自動車輸出は需要停滞などの影響で減少傾向だった。韓国自動車モビリティ産業協会によると、1~8月の韓国の電気自動車輸出は17万8000台で前年同期比23.4%減った。上半期の現代(ヒョンデ)自動車・起亜(キア)の欧州市場でのシェアも8.2%で前年より0.5ポイント下落した。 現代自動車は欧州でエコカーを前面に出して攻略する予定だ。欧州の排気ガス規制「ユーロ7」の基準に合う車両を来年から順次発売する予定だ。欧州工場を中心にハイブリッドカーと電気自動車などエコカー生産も増やす。現代自動車チェコ工場はハイブリッドカー(HEV)からプラグインハイブリッド(PHEV)、電気自動車(EV)まですべての生産設備を備えた大規模工場だ。起亜もスロバキア工場で来年下半期の稼動を目標にEV生産体制を構築している。 中国製電気自動車に課す高率の関税の余波が韓国の自動車メーカーに悪影響を及ぼすという見解もある。韓国自動車産業協会のカン・ナムフン会長は「欧州市場が関税の懸念で封鎖されると中国ブランドの車が東南アジアや中東など新興市場への進出を本格化する可能性がある。この場合エコカー市場をめぐり韓国メーカーが中国メーカーとさらに激しい競争を繰り広げなければならないだろう」と話した。