ベッテル、ポルシェのLMDh車両をドライブへ。自らテスト参加を打診「僕にとって新しい経験」
元F1ドライバーのセバスチャン・ベッテルは2022年限りでF1を引退して以来、特にレース活動はしてこなかったが、アラゴンで行なわれる36時間テストに参加。ポルシェが世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスやIMSAスポーツカー選手権のGTPクラスに投入するLMDh車両である963をドライブする予定だ。 【動画】セバスチャン・ベッテル、”所有の”ウイリアムズFW14Bでドーナツターンを披露 すでにベッテルは、ドイツ・ヴァイザッハでシミュレータでの走行に加え、963との初邂逅を済ませている。 「ポルシェ963をテストするのが楽しみだよ。ヴァイザッハでのロールアウトで、クルマの感触をつかむチャンスはすでにあった」 そうベッテルは語った。 「いつも他のレースシリーズを追いかけてきたし、耐久イベントに対する好奇心も後押ししてくれた。今はアラゴンでのロングランに興奮しているし、ステアリングを握る時間が楽しみだ」 「調整と慣れが必要なのは確かだが、チームのみんなはとてもオープンで、僕を助けてくれる。これは僕にとって新しい経験になるだろう」 ポルシェのスポーティングディレクターであるトーマス・ローデンバッハは、ベッテルからテストに参加する機会があるかどうか尋ねられたことを明かし、ポルシェは喜んでそれを受け入れたと語った。 「セバスチャン・ベッテルがポルシェ963に興味を持ってくれたことを嬉しく思う」とローデンバッハは説明する。 「テストに参加したいという彼のリクエストに応え、我々のハイブリッドプロトタイプをドライブするための十分な準備と時間を提供することは、我々にとって大きな喜びだ」 ベッテルは昨年、ポルシェのカスタマーチームであるJOTAと、WEC参戦について予備的な話し合いを行なっていたことが知られている。 ベッテルにとって、耐久レース参戦は興味をそそる選択肢のようだが、現状では「テスト以上の計画はない」とベッテルは強調しており、次のように語った。 「この点に関しては、今後どうなるか様子を見ることになるだろう。今のところ、今後さらなる計画はない」 ベッテルが参加する36時間耐久テストは、6月のル・マン24時間レースに向けてポルシェのワークスドライバー6名も参加する。 昨年デビューしたポルシェ963は、2023年のIMSAで3勝をマーク。今季の開幕戦デイトナ24時間レースでも勝利している。 また、今季のWEC開幕戦カタールでは6号車(ケビン・エストレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ヴァントール)がハイパーカークラス初優勝をポルシェに届けた。
Filip Cleeren