プライド月間に反発し「異性愛者はビール1杯無料」差別的なキャンペーンを発表したアメリカのバーに「ホモフォビア」批判殺到
毎年6月はプライド月間と呼ばれ、日本をはじめ、世界各地でLGBTQ+コミュニティの権利を啓発する活動・イベントが開催される。性的マイノリティに対する無知や無理解、それによる偏見や差別の撲滅が叫ばれるなか、アメリカのバーが「6月は異性愛者のすばらしさを祝福する月間」と銘打ったキャンペーンを発表し、SNS上で議論を巻き起こしている。
問題となっているのは、アメリカ・アイダホ州イーグルにあるバー「オールド・ステート・サルーン」。同バーは店舗の公式インスタグラムで「6月は異性愛者のすばらしさを祝福する月間。6月の毎週月曜日は、異性愛者のシスジェンダー(出生時に割り当てられた身体的性別と性自認が一致している)男性にビールを1杯無料サービスする」と投稿。アメリカ国旗にヘテロセクシュアルの性別記号をのせた画像を添えて、「異性愛者がいなければ私たちはみなここにいない」と綴った。
一部では、バーのキャンペーンに賛同する人や、「プライド月間があるように異性愛者だって祝福されていい。何がそんなに問題なのか?」という意見も……。 しかしこのキャンペーンに対し、「ホモフォビア(同性愛嫌悪)だ」という声が殺到。「異性愛者でシスジェンダーのストレート男性は、常に社会で優遇されてきた」「ストレート男性は、生まれながらにもつ“特権”を当たり前に享受できるものだと思いがち」「これまで差別や偏見を経験してきたLGBTQ+コミュニティを祝福するためのプライド月間なのに、あえて対立するようなイベントを開催するなんて残酷すぎる」など、性的マイノリティを排除するような姿勢に多くの批判が寄せられた。
海外ではもちろん、日本でもいまだに多くの課題が残るLGBTQ+コミュニティの権利や自由をめぐる取り組み。パンデミックを経て人と人とのつながりが見直されつつある今だからこそ、まずはLGBTQ+の当事者とアライ(当事者に共感し、寄り添いたいと考え、支援する人)によるさらなる協力・団結・意思表明が必要不可欠。“真の多様性”を実現させるため、今からできることを改めて考えたい。