初戴冠の神戸で唯一フル出場&日本代表初キャップ。GK前川黛也がさらなる飛躍を誓う「もっと信頼されるようなキーパーに」
「まだまだ成長できます」
[J1第33節]神戸 2-1 名古屋/11月25日/ノエビアスタジアム神戸 ヴィッセル神戸は、J1第33節で名古屋グランパスとホームで対戦。2-1で競り勝ち、初優勝を飾った。 【PHOTO】ノエスタに響く神戸讃歌!選手を後押しし続けたヴィッセル神戸サポーターを特集! この一戦で、チームの最後尾で奮闘し勝利に貢献したのが、GK前川黛也だ。30分に1失点したものの、その後も集中力を切らさず、安定感のあるセービングや的確なクロス対応などでゴールを守った。 前日に2位の横浜F・マリノスがアルビレックス新潟と0-0で引き分けたため、神戸は名古屋に勝てばリーグ優勝が決まる状況だった。29歳の守護神は、こう振り返る。 「ホームで優勝できるチャンスをもらえた。そういうなかで、ファン・サポーターに優勝の瞬間を届けたかった。いろいろなプレッシャーはありましたけど、無事に届けられて良かったです」 劣勢の時間も長く、ピンチも多かったなかで逃げ切った。チームメイトへの感謝も忘れない。 「攻め込まれる時間帯はあったんですけど、守り切れるのは、シーズンを通して全体がすごく力強く守ってくれたおかげでもあるし、今日もそれができていました」 悲願達成の要因について尋ねられると、「今まで引っ張ってきた先輩たちもそうなんですけど、それに負けずについてきた後輩たち。試合に出ている選手は、特に。そういう競争があったからこそ、優勝に手が届きました」と語る。 自身にとって、今季は飛躍の1年になった。ここまでチーム唯一のフルタイム出場を果たしており、11月16日に行なわれた北中米ワールドカップ・アジア2次予選のミャンマー戦(5-0)では、途中出場から日本代表初キャップをマークした。 前川は「小さい頃から優勝した経験があまりなくて。こういう大きいタイトルが取れたのはすごく自信になりました」としつつ、「代表に入る選手として、常に高いレベルでみんなに表現していくのは大事」と向上心を持ち続ける。 そして、「まだまだ成長できますし、もっと代表にふさわしい選手、もっと信頼されるようなキーパーになりたいです」と意気込んだ。 取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)