2回、KO勝利した松本（撮影・浅見桂子）

＜プロボクシング：フェニックスバトル123大会＞◇17日◇東京・後楽園ホール◇日刊スポーツ新聞社後援 　「ミライ☆モンスター」と呼ばれる日本フェザー級王者松本圭佑（25＝大橋）が自身初のKO防衛を飾った。タイトル初挑戦となる同級7位中川公弘（33＝ワタナベ）とのV4戦に臨み、2回2分25秒、KO勝ち。計3度のダウンを奪ってタイトル戦で初のKO撃破となった。昨年1月以来のKO勝ちとなった松本は「勝ててほっとしたし、KOも久しぶり。ボクシングは難しいと思うが、伸びしろはこれから。もっと頑張りたい」と決意を口にした。 　1回に右強打で猛攻を仕掛けてきた中川に対し、左ジャブ、ワンツーや強烈な左ボディーで応戦。2回には左ボディーからの右でダウンを奪った。立ち上がってきた中川にワンツーなどの連打でダウンを追加。最後は右ストレートで3度目のダウンを奪って勝負を決め「アップの時から力んではダメと考えていた。力を抜いて出るパンチを意識してそれが出た。冷静にやれた。チャンスのときに攻めようという意識、チャンスにパンチをまとめる意識がありました。頭がスマートに考えられていた」と安堵（あんど）の表情を浮かべた。 　今年6月に行われた藤田裕史（井岡＝現匠）とのV3戦ではKOチャンスがありながらも判定での勝利だった。所属ジムの大橋秀行会長（59）は「途中でお客さんが帰っていた。帰ったお客さんは2度と来ない。勝つだけではダメ」と注文をつけられ、トレーナーの父好二氏（55）からも「もう辞めた方がいい」と厳しく指摘された。松本は「ベルトを取る前は自分の強さを見せたい、自分の実力をみせたいと戦っていたが、世界ランクも上がり、ベルトを守るような意識になった。今回はそれを含めて原点ではないですが、判定続きだったので、自分の力を見せつけるというハングリー精神で戦えた」とうなずいた。 　松本トレーナーは「親子劇場で2人でやってろよと言われるので、厳しく言いました。前回の試合後の2～3日後、長文メールで『嫌いで怒っているわけではない』と本意を説明した。しっかり前を向いてやれる。もっと気楽に戦ってくれればもっと伸びる」と期待を寄せた。大橋会長も「来春のチャンピオンカーニバル（の5度目防衛戦）の内容次第で世界挑戦へのゴーサインを出したい」と期待を寄せた。 　松本は現在、フェザー級の世界ランキングでIBF7位、WBC9位、WBO13位に入っている。「世界王者となると相当強いのだろうなと思う。防衛やKOで良い勝ち方をしていても世界は大変なものだと小さい頃から見てきた。大橋会長や周りからゴーサインを出してくれれば頑張るだけ。自分から『世界』とか言うのはまだまだ。まだまだ強くならないといけないと思っている」と気合を入れ直していた。