阪神・前川 プロ初2番で先制二塁打、6月待望の初安打 中野からの助言生かし躍動
「阪神2-3楽天」(5日、甲子園球場) 痛すぎる逆転負けの中で希望の光となった。阪神・前川が先制適時打で聖地を沸かす。「チャンスの場面だったので、ゾーンに来た球は思い切ってスイングしていこうと思っていました」。プロ初の2番起用で自身の6月初安打。一打で序盤の主導権は握った。 【写真】三回で早くもベンチ前で円陣 ミエセスでかっ 両軍無得点の三回。二回まで相手投手の内に15球で1安打無得点に抑えられ、攻撃前に円陣を組んだ。ただ、連続三振であっさり2死。ここで中野が右前打で出塁し、打席を迎えた。「久しぶりに割り切っていけたかなと思います」。フルカウントから151キロの直球を右中間へ運び、中野を先制のホームへ迎え入れる。二塁上で大歓声を浴びた。 試合前には、主に2番を任される中野からの助言もあった。2番の仕事を問うと「普通に思い切って振ったらいいんちゃう」。平常心の心構えを伝授され、意識は変えなかった。それでも、初回無死二塁では狙い澄ました二ゴロで進塁打。「また同じ打順になっても、仕事ができるように頑張ります」。適応能力の高さを見せつけた。 五回1死一、二塁ではフルカウントから低めのフォークを選んで、追加点につなげる四球。「ある程度、低めは捨てないといけないと思ってた。見逃せて良かったかなと思います」。七回無死ではターリーに見逃し三振を喫したが、役割は果たした。 5月31日のロッテ戦(ゾゾ)でプロ初本塁打を放ち、すでに昨季越えの39試合に出場。6月は試合前まで7打数無安打と苦しんでいたが、待望の一本も生まれた。昨季は交流戦の楽天戦でプロ初安打を打つなど、6月に53打数19安打で打率・358。今季もここから乗っていきたい。 大山が出場選手登録を抹消され、今後も流動的な起用が予想される。「普通に準備をして、ちゃんと結果を残すだけ」。打線はもがき苦しんでいる。だからこそ、若虎の勢いで貧打の壁を打ち破りたい。