【JJドラマ部】若者の「貧困」「格差」「復讐」がテーマのドラマ 『SHUT UP』がアツい!|JJ
自由に生きるためにはやっぱり経済力が大事!
イマ:このドラマのテーマのひとつに「復讐」とありますが、これは大学生たちが社会に向かって復讐していくということですか? 本間:そうですね。私自身あまり裕福とはいえない時期がありました。社会構造的に貧しい人はそこから全く抜け出せず、豊かな人はもっと豊かになっていく。たとえば、紗奈も頑張って稼いでいるのに、ネットワークビジネスから搾取されそうになってしまう。それも貧乏ゆえなのに、自己責任でしょ?と一言で片付けられるのは理不尽で悔しい。その悔しさと戦える物語にしたいと思って、「復讐」というキーワードを入れました。 小林:そしてもうひとつのテーマは、「格差」ですよね。私なんてフリーとして独立してから毎日感じてますけど、それが仕事の原動力でもあります。ちなみに「復讐」も。過去、私にパワハラを仕掛けてきた人たちには、いつかちゃんとお返ししようと(笑)。 イマ:それは会社員とフリーランスという格差によるハラスメント? 小林:それもあるかも。ストレスがMAXになった時は、脳内に別人格でキティちゃんを発動させて「私のほうが稼いでいる、頑張っているから大丈夫!」と言い聞かせおります(笑)。 イマ:精神バランスの取り方が独特ですね(笑)。 小林:本間さんも派遣社員からテレ東の正社員プロデューサーになって、何か変化はありましたか? 本間:やっぱり経済力が変わりましたね…。 小林:「余裕」ってお金で買えるんですよね。 本間:そうなんです。派遣社員の時にはお店に飾ってあった食器を見て「可愛いなあ」と思っても、「まあ、使わないよな…」と買わなかった。でも、初めての正社員としてお給料が入ったときに、食器を買ったんですよ! 使うかどうかわからない食器を買えるって、なんて豊かなんだと。その時に、経済力と自由は結びついているんだなと思いました。 イマ:私が所属する光文社の女性ファッション誌は、スクールカーストでいう、上位の読者層をターゲットにしたものが多いんです。幼稚園から有名私立に通っているような。『CLASSY.』や『JJ』の編集長をしていた時も、この素敵な生活をそのまんまできる人たちって東京にどれくらいいるんだろうと思ってましたよ(笑)。一方、光文社新書では若者や女性の貧困をテーマにした本が2010年代から定期的に出版されています。編集部が変わると、同じ日本でもこんなにも違った側面をフォーカスするんだな、という格差社会のリアルを感じます。 小林:なんか「格差」とか「復讐」って、イマイズミさんの好きな韓国ドラマによく出てきません? イマ:財閥が幅を利かせる国ですから、貧しい人たちによる復讐をテーマにしたものは多いですね。映画『パラサイト』もそう。でも、その状況って、実は今の日本もそんなに変わらないのかなっていう気もしてきます。