新型宇宙ステーション補給機「HTVーX] 機体初公開
来年度の打ち上げを目指して鎌倉市内で開発が進められていた新型宇宙ステーション補給機「HTVーX」の機体が報道陣に初めて公開されました。 冨樫キャスター「こちらが今回初めて公開されたHTVーXの機体です。上の部分のセンサーがステーションとの距離を測り、下の部分の取っ手をステーション側のロボットアームがつかむことでドッキングできるということです」 新型の宇宙ステーション補給機「HTVーX」は、2009年から物資の補給を行ってきた「こうのとり」の後継機として7年間、356億円をかけて開発されたものです。 10日は、機体の公開に合わせてJAXA=宇宙航空研究開発機構と新型補給機の開発に取り組んできた三菱電機の担当者が同席してその優れた性能について発表しました。 JAXA新型宇宙ステーション補給機プロジェクトチーム伊藤徳政プロジェクトマネージャ「物資輸送プラス実証機会を提供するということで二刀流という大きな特徴がHTVーXにある」 新型補給機は「こうのとり」に比べ搭載できる物資の量がおよそ1.5倍に増えるなど輸送能力が向上したほか、物資を届けてから大気圏に再突入するまでにさまざまな実証実験を行うことが期待されています。 また、新型補給機は将来的に、月周回有人拠点「Gateway」への物資輸送を検討しているということです。 三菱電機HTVーXプロジェクト統括鵜川晋作さん「HTVーXをうまく活用してもちろんこのままではなくゲートウエイを始めとした月探査に活用してさらにフィールドを広げていきたい」 鎌倉市内で開発されてきた技術が宇宙で活躍することが期待されています。 これまでの補給機「こうのとり」9機は、宇宙ステーションに必要な食料や衣類、実験装置などを届けることがミッションでした。 これに加え今回公開されたHTVーXはこれまで蓄積された技術を生かして従来の役割を引き継ぐとともに実証実験のミッションが加わったことが画期的とされています。 宇宙に物資を運びさらに調査までしてくる、この二刀流の活躍が近い将来、月探査の技術開発へつながることを期待したいです。