思い入れの強いゼッケン『27』で参戦! ホンダの電動トライアルバイク「RTL ELECTRIC」の開発ライダー藤波貴久選手に、つぐみライダーが直接聞いた!
現役で活躍している若いライダーが沢山いるなかで「ホンダの新しいチャレンジ。歴史の1ページのスタートはどうしても藤波監督が良かった」と斉藤さんの熱いオファーの上に決定したそうです! 藤波監督へ正式に声がかかったのが今年5月。意外にもまだ5ヶ月しか経っていないんです。現役を終えてからは全くトレーニングをしていなかったそうで、このままでは開発の方が早くなっちゃうぞ!と急いで体力をつけ、10キロも減量されたことには驚きでした。「体力は戻ったけれど筋肉痛が取れないんです。年齢には勝てないよ。」と笑いながらもその瞳の奥からは【優勝しか見ていない】という強い眼差しを感じました。 開発では、監督の豊富な経験も活かされています。「モーターの出力」や「エンジン車にないスタートダッシュの速さ」を武器に進めたけれど初めは監督の体さえ持っていかれるほどのパワーだったそう。「今でこそ扱えているけれど、ベースを作るまでが大変で試行錯誤した」そうです。
さらに「軽さ」にも要望を出したとのこと。ガソリン車は燃料が減ればもちろん全体の重量が変わるのだけれど、1ラップが終了して再出発する際は燃料を満タンにするのでいきなり重くなる。その点電気車は最後まで重量が変わらない。感覚的だけれどこれがエンジン車との一番の違いであり大きなメリットだ。というお話には、なるほど…と思わず頷きました。 以前電動バイクのバッテリーを持ち上げた時、相当重く感じたけれど、それでもガソリン車より軽いのかな…?「RTL ELECTRIC」の車重は非公開なので詳細はわからないけれど、電動マシンのメリットが「ダイレクトなトルクや瞬発力だけじゃない」というのはわたしにとって大きな発見でした!
ちなみに電気残量のワーニングはどこにあるのか?という質問に対し「ウルトラマンみたいに僕の胸が光るんですよ」と藤波監督らしいお茶目な返しのある場面も(笑)。 今後、藤波監督のカラ―タイマーが光るときが来るのか…注目していきたいですね!(ちなみに大会後に聞いてみると、今戦では光らなかったそうです笑) 幼少期から現役時代の全てをエンジンバイクと共にしてきた藤波監督が開発に携わり造りあげている「RTL ELECTRIC」。本格的な開発の始動から約5ヶ月経った現時点で(ワークスマシンに対し)70~80%の完成度までに追いついてきているそう。