明大・FW熊取谷一星、不穏な空気一掃の右足FK「練習していたことが発揮できてよかった」【全日本大学サッカー選手権】
◇16日 全日本大学サッカー選手権決勝ラウンドグループステージ第2節 明大2―0大阪学院大(茨城・ひたちなか市総合運動公園陸上競技場) 明大FW熊取谷一星(くまとりや・いっせい、4年・浜松開誠館)の右足が不穏な空気を一掃した。1―0とリードして迎えた前半33分、ペナルティーエリア手前右寄りの位置から放ったFKの一撃が大阪学院大のゴールネットを揺らした。 実はその9分前に〝事件〟が起きていた。素早いリスタートのFKから明大が先制したのだが、FKの位置が明らかに違い、しかも、ボールが静止していない状態でFKを蹴ったため、大阪学院大が激怒の抗議。しかし、判定は覆らず、得点が認められた。後味の悪さが残る中での熊取谷弾。得意のFKで文句なしのゴールを決めた背番号8は跳び上がって喜んだ。 「練習していたことが、ある意味、負けたら終わりという試合で発揮できてよかったなと思います。うれしいです」 4チームずつが4グループに分かれ、ベスト8入りをかけた1回戦総当たり制のグループステージを戦っている。初戦を引き分けていた明大としてはどうしても勝ちたい試合だったが、この日の勝利で1勝1分けとし、グループ首位に立った。 「チームのために走るとか戦うとか、そういう原点に立ち戻ってやるっていうのを今日は意識しました」とフォアザチームの思いでピッチに入っていたアタッカーが勝利をもたらした。 存在感を際立たせた21歳は来季から東京V入りすることが内定している。プロになる身としてはアマチュア最後の大会で一層の輝きを放ちたい。 「(プロ内定者として、ほかの選手との)違いを生み出さないといけないと思うんですけど、(それよりも)明治のためにっていうところを引き続き強く意識してやっていきたいです。これからもっともっとゴールに絡んで、チームを勝たせていきたいなと思います」 FKのほか、ものの見事に相手の逆をとるドリブルなどでも魅せる166センチが、明大を大会2連覇へと導く。
中日スポーツ