フェイクニュースはシェアしたくなる工夫が詰まっている 小学校低学年から始める「ネットリテラシー」の基本
これからますます進化するネット社会を生きる子どもたちにとって、インターネットとどう向き合い、活用していくかは大切な課題です。学校でも情報活用能力の指導が行われていますが、限られた時間や環境の中で、必要なことをすべて学べるわけではありません。とりわけ「ネットリテラシー」と言われるスキルは、保護者のかたのサポートにより早いうちから家庭で取り組むことが重要になります。 今回は、ネットリテラシーを伸ばす上で基本となる考え方を、全国の学校や企業でネットリテラシーに関する講演を行っている、国際大学GLOCOM客員研究員 小木曽健さんに伺いました。
ネットリテラシーとは? なぜ重要?
小木曽:ネットリテラシーとは、インターネットを適切に使いこなす能力のことです。ネット上のさまざまな情報を判断したり、適切な情報発信ができる能力を意味します。現代社会における狩猟能力のようなものだと思って下さい。
【子どものネット・スマートフォンの利用実態】 東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で行った調査によると、家でのインターネット利用率は小学4年生~6年生で93.3%、中学生は96.7%、高校生は97.7%です。 個人でスマートフォンを持つ割合も小学4~6年生ですでに4割弱、中学生は8割、高校生は9割以上にのぼります。 また、利用用途を見ると小学4~6年生の2割弱、中学生の4~5割、高校生の6割は、ほぼ毎日チャットやSNS を使って人と交流しているという結果も。 今の子どもたちにとって、ネットはまさに生活とは切り離せない存在な上、ネットを通じて知らない人と交流する機会は非常に身近なものとなっています。
※データおよび図は「子どものICT利用に関する調査 2023」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所)より ※ICT機器とは…情報通信技術を用いた機器のことで、パソコンやスマートフォンなどのことを指す用語。 ※調査結果で使用している百分率(%)は、各項目の算出方法に沿って出した値の小数点第2位を四捨五入して表示しているため、数値の和が100 にならない場合があります。 【ネットリテラシーは何歳から必要?】 小木曽:子どもがインターネットに接するということは、繁華街を一人で歩き回るようなもの。ネットは便利な道具である一方、誤った接し方をすると事件に巻き込まれたり、場合によっては加害者になったりする可能性もあります。だからといって使用を避けたり、いつまでも親がそばで見守り続けたりするわけにもいかないでしょう。 そう考えると、子どもが親の話を「比較的」素直に聞いてくれる小学生のうちから、ネットリテラシーについて教え始める、親子で一緒に考え始めることが重要になります。