高速SAPAの[EV充電器]は初心者にとっては地獄! 性能表示ナシなんてありえない!【清水草一の道路ニュース】
■新型充電器使用時の出力低下について
しかも新型の90kW器や150kW器は、EV初心者には驚愕の事実が隠されている。同時に複数のEVが充電を始めると、充電速度がかなり低下するのである。 ニチコン製の90kW×6口器は、1口あたり最大90kWの充電性能を持ち、2台までならその性能を維持できる(はず)だが、6口合計で最大200kWなので、4台以上が同時に充電を始めると、最大20kW(!)まで出力が低下して充電単価が大幅に上昇する口も出る。 新電元製の2口分割型150kW器は1口の使用なら最大150kW出る(はずだ)が、それは最初の15分間だけ。しかも2口同時に使い始めると、自動的に最大90kWに低下する。 浜松SAの場合、90kW6口+150kW2口。誰もができるだけ高性能な充電器を使いたいから、150kW器に人気が集中するが、8口のうち150kW1口のみ使用中の場合は、残り7口すべて最大出力90kWで同じになる。 そんなことはどこにも説明がないから、わざわざ隣の150kWを使うEVもいる。しかもそれが、充電受け入れ性能の低い先代リーフだったりすると、先客は内心舌打ちすることになる。 SAPAへの急速充電器の増設は、前述のようにEVユーザーにとって吉報だが、EV初心者にとっては、使い方の難易度が高まる面もある。 昨年経産省が示した「充電インフラの整備促進に向けた指針」では、「電力量に応じた課金(従量制)を2025年度から実現する」となっているが、充電器の性能表示も、できるだけ早期にわかりやすくすべきである。