アウディ次世代EVの先陣を切る「Q6 e-tron」発表迫る。新型ポルシェマカンが最大のライバルか!?
ボディサイズは現行Q5よりやや大きくなった
「Q6 e-tron」のボディサイズは、全長4766×全幅1936×全高1681mm。つまりプラットフォームを共有する新型マカン(同4784 ×1938×1622mm)とほとんど変わらず、あえて言えばよりSUVらしく50mm弱背が高い。内燃機関を搭載する現行型「Q5」(同4680×1900×1665mm)よりわずかに大きくなる。一方、前後オーバーハングの短縮およびホイールベースの延長とフロアのフラット化により、居住スペースは大幅に拡大される。 ボディタイプは、従来と同じくオーソドックスなSUVスタイルに加えてスタイリッシュなクーペタイプの「Q6 e-tronスポーツバック」もラインナップする。「Q6 e-tron」の荷室容量は526L、リアシートをたためば最大1529Lまで拡大できる。さらにボンネット下には64Lのフロントトランクを備え、充電ケーブルや小型の旅行バッグなどを収納できる。
さらなる高性能バージョン“RS”の追加にも期待
駆動方式は全車が前後輪にそれぞれ駆動モーターを配したクワトロ(4輪駆動)。正式なスペックはまだ明らかにされていないが、「Q6 e-tron」が300kW(408ps)/650Nm前後、よりスポーティな高性能版の「SQ6 e-tron」は470kW(639ps)/1130Nmあたり。 どちらも新型マカン(「マカン4」、「マカンターボ」)に準じる可能性が濃厚だ。また、将来の追加が噂される「RSQ6 e-tron」は、システム最高出力が600kW/816ps前後まで高められるという情報もある。
VRを駆使したADAS領域の進化も注目される
コクピットはアウディが「デジタルステージ」と呼ぶ3つのディスプレイを中心にデザインされている。MMIパノラマディスプレイは11.9インチのアウディバーチャルコクピットと14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成され、これにオプションとして助手席側に独立型の10.9インチMMIディスプレイ(オプションの可能性あり)が組み合わされている。パッセンジャーはドライバーに気兼ねなく映画などさまざまなコンテンツを楽しむことができる。 さらにヘッドランプやリアテールライトには、新たに第二世代デジタルOLED(有機LED)テクノロジーを採用。「アクティブデジタルライトシグネチャー」と呼ばれるこの世界初の技術は、デジタルOLEDリアライトの変化によって追突警報、エマージェンシーコール、エマージェンシーブレーキほか、さまざまな車両機能と連動して表情が変化して外部とのコミュニケーションを行う。さまざまな表情を作り出すフロントのマトリックスLEDヘッドライトと相まって、新世代ライティングシステムの誕生だ。 また、オプションとして設定されるAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ(HUD)にも注目しておきたい。フロントウインドーには、さまざまな情報がドライバーの目前に浮かんでいるように投影され、ドライバーは視線を移動させることなく直感的に情報を収集できる。画像はドライバーの視点から約2.2mの対角線上に表示される。 ソフト、ハードともに基本的なアーキテクチャーをポルシェマカンと共有するだけに、数値化されるスペックには共通点が多い。しかし、ブランドとしての方向性の違いは明確だ。ポルシェはあくまでスポーツカーブランド、アウディはプレミアムかつ最先端であることにこだわる。EVでの差別化は難しい、と言われることもあるが、今回、時をほぼ同じくして登場する2車には、やはり明快な違いがある。