HP、売上高がアナリスト予想上回る-PC事業2年ぶりに増収
(ブルームバーグ): 米パソコン(PC)・プリンターメーカーのHPが29日発表した2024年2-4月(第2四半期)決算では、売上高がアナリスト予想を上回った。PC売上高が2年ぶりに前年同期比プラスとなり、待望のPC市場回復が示唆された。
発表文によると、2-4月のPC売上高は前年同期比3%増の84億3000万ドル(約1兆3300億円)。アナリスト予想は82億8000万ドルだった。PC事業は前年比ベースで2022年5月以来減収が続いていた。今回の増収には売り上げを6%伸ばして62億4000万ドルとした法人向けPC部門が寄与した。消費者向けPC部門は3%減の21億8000万ドルと引き続きマイナスだった。
PC市場は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の初期に多くの消費者や企業、学校がノートPCを購入したことから、ここ2年間は歴史的な落ち込みとなっていた。しかし調査会社IDCの4月の発表によると、今年1-3月の出荷台数は1.5%増と、21年末以来初めてプラスに転じた。
PCメーカー各社はこの数字が販売不振の終わりの兆しであることを望んでいる。また基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の新バーション搭載PCや人工知能(AI)チップ搭載PCの投入を追い風に販売が今年加速することを期待している。
HPのエンリケ・ロレス最高経営責任者(CEO)はインタビューで、同社が先週発表したようなAI対応PCは下半期には業界全体の総出荷台数の約10%を占めるとの見通しを示し、25、26年には財務への影響は大幅に増すだろうと述べた。同社はAI対応PCの割合は発売後3年で約5割に達すると予想している。
同社の株価は29日の時間外取引でほぼ変わらず。通常取引終値は1%安の32.80ドル。年初来では9%上げている。
2-4月のHPの売上高は1%弱減の128億ドル。アナリスト予想の平均は126億ドルだった。一部項目を除いた1株利益は82セントと、市場予想とほぼ一致した。プリンター事業の売上高は8%減の43億7000万ドルだった。