36歳”激闘王”八重樫がフラフラになって異例のハードトレ公開。4度目世界王座奪還へ「超接近作戦」
2年前、メリンドに1ラウンドに倒され負けた試合後、大橋会長は引退を勧告した。八重樫は、すぐに「やらせて欲しい」と現役続行を訴えたが、その後、8か月間もジムから足が遠のく時期があった。八重樫は真剣に引退を考えていた。その後、復帰を決断したが、大橋会長と松本トレーナーは「反応や動きが悪ければ試合も組まないし引退させる」と条件をつけていた。 八重樫は年齢の衰えに抵抗するようなハードトレを続けた。 大橋会長は、「凄まじい練習量を目の当たりにしたら辞めろと言えなくなった。心を動かされた」という。 「復活理由? ボクシングが好きだから。2年半前に一度(ボクシングから)離れようとした。でも、いろんな答えあわせをして、ボクシングが好きだから戻ってきた。最高の舞台を用意してもらい、恵まれている。大橋会長ら支えてくれている人たちへの恩返しのためにボクシングを全うする。戦う意味はそこにある。八重樫の試合はおもしろいなと言ってもらえるような僕らしいファイトをしたい」 八重樫の戦う理由ーー。。 「勝っても引退」 そんな説も流れていたが、大橋会長は、「タイミングの問題があって、当初考えていた4階級制覇に挑めなかったが、この試合に勝ったら4階級へ。八重樫がやる気がある限り応えたい」と、王座奪回を前提に次なるプランを掲げた。 八重樫も「次、4階級行くぞ、と言われれば行く」と応じた。 それを聞いた大橋会長が、マイクを通さず「じゃあ辞めろと言ったら辞めてくれよ」と小声でつぶやくと、八重樫は「それは聞かないかも」と、顔をくちゃくちゃにして笑った。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)