【競輪】賭けに勝った神山雄一郎 3年どころか20年近くトップを守った男の「やりたいこと」
輪界のレジェンド、神山雄一郎引退の知らせを聞いた日刊スポーツ競輪担当記者や経験者たちが、惜別の原稿を寄せた。 【写真】引退会見で涙を見せる神山雄一郎 ◇ ◇ ◇ ◇ 1997年(平9)の前橋での出来事だ。記者はこの時、行われた寛仁親王牌を最後に、社内勤務に異動することが決まっていた。そこで88年デビューから、ずっと追ってきた神山雄一郎と賭けをした。 「神山君、しばらく競輪を離れるけど、戻ってくるまでトップで走っといてな。何年トップを守れる?」。 この問いかけに、29歳の神山は「う~ん」と考え込んだ末に「3年」と答えた。 「わかった。3年以内に競輪に戻ってくるから」。 「待ってますよ」と神山は笑顔で送り出してくれた。 結果は2005年のオールスターを勝ち、15年にはG1ではないが共同通信社杯を制した神山の完勝。3年でなく20年近く、トップを守ったことになる。 2年半前、記者が競輪担当に復帰し25年ぶりに会った神山は「えらく久しぶりですね」と迎えてくれた。すでにトップクラスではなかったが、S級をしっかりとキープしていた。 その時に神山は聞いてもいないのに、今後のことを話し始めた。 「A級で走るモチベーションはあるんですよ。でもね、競輪の世界で選手以外でやってみたいことがあるんです」。それが何なのかは、おいおい明らかになっていくだろう。【競輪担当・榎並義朗】