当時19歳の被告に懲役10年求刑 那須塩原3人死傷事故
とちぎテレビ
2023年11月、那須塩原市内の交差点で赤信号を無視して車同士の衝突事故を起こし3人を死傷させたとして、危険運転致死傷の罪に問われた当時19歳の被告の刑事裁判が20日宇都宮地方裁判所で開かれ、検察は懲役10年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決が相当と主張し結審しました。 危険運転致死傷の罪に問われているのは、那須塩原市に住む当時19歳だった無職の福田隼哉斗被告です。 起訴状などによりますと福田被告は2023年11月、那須塩原市の交差点で赤信号を無視して軽自動車を進入させ乗用車と衝突する事故を起こし、一緒に乗っていた当時20歳の男性を死亡させたほか、2人にけがをさせたとしています。 裁判では、福田被告が赤信号と知っていたうえで停止位置で停止することが十分可能にもかかわらず、無視して進行したかが争点となっています。 20日の裁判で検察側は「事故現場にブレーキの痕は見られず、居眠り運転の動きではない」とし「やむなく送迎を引き受けたいらだちから信号を無視した」と指摘しました。基本的な交通ルールを守れず極めて危険な運転で重大な死傷事故を起こしたとして懲役10年を求刑しました。 一方、弁護側は「同乗者による赤信号の指摘を無視したのではなく、居眠りしていたため反応できなかった」とし「寝不足にもかかわらず2人の送迎を引き受けた」と主張しました。そして「危険運転致死傷」より刑の軽い「過失運転致死傷」に変更したうえで、執行猶予付きの判決を求めました。 福田被告は最終陳述で「被害者家族に申し訳ありません。一生運転しないし、一生をかけて償っていきます」と述べました。 検察の論告に先立ち、被害者家族らは「悲しい事故を繰り返さないよう法によって制裁され、自分をもっと大切にして生きてほしい」と述べました。 判決は、1月15日に言い渡されます。
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