【大学野球】明大・宗山塁が通算100安打 打ち取られた当たりがヒットになる理由
スカウトから相次ぐ絶賛
宗山は2024年のドラフトの「超目玉」と言われている。プロ関係者からは「20年に一人の遊撃手」との評価もあり、この日はバットだけでなく、好守備でもスタンドの観衆を魅了した。1年春から多くの試合を視察した広島・苑田スカウト部顧問は「即戦力。獲得した球団は最高です。心配せんでいいですから」と、改めて地元の至宝に惚れ込んだ。他球団のスカウトからも、絶賛の声が相次いだ。 「言葉に出ない。文句なし。素晴らしいの一言です。春はケガで出場できませんでしたが、秋にしっかり照準を合わせてきた。大学球界のトップレベルでの100安打は、4年間出場していないと到達できない数字。技術だけでなく、身体的な強さもある。能力的にいけば、今後、環境が変われば、さらにレベルアップする」(楽天・後関昌彦スカウト部長) 「詰まっていても、マグレのヒットではない。バットの出が良いからです。差し込まれても、そこに強引さがない。そこは技術の高さです。(プロで)守備に長けた選手と比べても、そん色ないレベル。打撃はコンタクト能力が高い。毎回、見るたびに再確認できます。1位重複? 揺るぎないですね。あとは、行くか、行かないか……。現有戦力で遊撃手がいるチームでも行きたくなる。来年もいるか? と聞かれれば、いないわけですからね。言うまでもなく、ドラフト1位はスカウトの判断だけでは決まりません。球団、現場の意向も踏まえながら調整していくことになります」(ヤクルト・橿渕聡スカウトグループデスク) この日、チームは1点リードの9回裏二死から慶大の四番・清原正吾(4年・慶應義塾高)のリーグ戦初本塁打が飛び出し、3対3の引き分けとなった。宗山は「僅差の展開が続く。すべての大学から勝ち点を取りたい」と前を向いた。2023年春以来のV奪還へ、主将は背番号10の仕事をまっとうするだけである。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール