「法務大臣と受刑者を両方経験した」河井克行氏、刑務所での体験語る
元法相で、公職選挙法違反の罪で実刑判決を受けた河井克行氏(61)が、日本犯罪社会学会の大会に参加した。講演した河井氏は、刑務所内での体験を振り返りながら、元受刑者の再犯率の高さの背景に、十分な支援体制が整っていないことがあると指摘した。 【写真】元法相「申し訳なかったです」 受刑中の出来事に言葉を詰まらせた 河井氏は10月に京都大で開かれた同学会に登壇し、「法務大臣と受刑者を両方経験した人間として、この場に立っている」とあいさつ。その上で、刑法犯の再犯率49.9%という数字に、受刑者が人生を立て直す難しさが表れていると指摘した。 「受刑者は塀の中の生活に適応しようとすればするほど、刑務所が人生の舞台だと錯覚してしまう」と語った河井氏は、受刑者の相談に応じる窓口の設置などを訴えた。 河井氏は、妻が立候補した2019年の参院選で、地方議員ら100人に約2900万円を提供した公選法違反罪で起訴され、21年に懲役3年の実刑判決が確定した。その後、現金を受け取った側も同法違反罪に問われ、略式起訴を含め32人の有罪が確定している。講演では、事件への具体的な言及はなかった。(根本快)
朝日新聞社