ジョージア大統領選、対欧米強硬派の元プロサッカー選手を選出
[トビリシ 14日 ロイター] - 政府に対する大規模な抗議活動が続いている旧ソ連構成国ジョージア(グルジア)の大統領選が14日あり、議員らは与党「ジョージアの夢」が候補として指名した対欧米強硬派で元プロサッカー選手のミハイル・カベラシビリ元議員を選出した。12月29日に就任する。 今回の大統領選は議員と地方自治体の代表者によって選ばれた。225人の選挙人のうち224人が、指名された唯一の候補者だったカベラシビリ氏に投票した。 退任するサロメ・ズラビシビリ大統領は自らを抗議運動のリーダーだと位置付け、任期終了後も大統領職にとどまると発言している。ズラビシビリ氏は大統領直前にXへの投稿で、今回の選挙は「民主主義を愚弄するものだ」と批判した。 大統領選に先立ち、議事堂の前では小雪が舞う中で数百人が抗議行動をした。何人かはサッカーをして議事堂に向かってレッドカードを振った。抗議行動に参加者したベジ・コクホゼさんは「本日の選挙は、ジョージアをルーツのソ連に戻したいという体制の明確な願望を示している」と語った。 旧ソ連から1991年に独立したジョージアでは、「ジョージアの夢」が欧州連合(EU)加盟を目指す動きを2028年まで凍結すると表明。憲法に明記された長年の国家目標が突然中断されたことで、EU加盟を目指すことが世論調査で圧倒的な支持を得ているジョージアで反発が広がっている。 カベラシビリ氏は反欧米的な思想を強く持ち、陰謀論的な見方を示すことも多い。今年に入ってからも、西側の情報機関がジョージアをロシアとの戦争に追い込もうとしていると演説で繰り返し主張してきた。