未実施の事業費を業者に支払い…兵庫・豊岡市、職員の処分検討
兵庫県豊岡市は27日、2022年度に執行した城崎庁舎の雨どい清掃業務で、発注業務が未実施だったにもかかわらず、業者に代金を支払うなどの不適切な事務処理があったと発表した。地方自治法違反の疑いもあり、職員の処分を検討する。 発表では、23年3~4月、当時の城崎振興局の課長が庁舎大屋根の雨どい清掃を市内の業者に発注。その後、施行が4月以降になると認識しながら、22年度予算で執行するため、まだ業務が行われていない状況で、3月31日付の請求書作成を業者に依頼した。さらに、請求書などを基に、担当の課長補佐らに支出手続きを指示。業者に業務代金17万8200円が支払われた。
課長は今春に異動。5月下旬に庁舎管理の担当職員が、新任の課長に事案を報告して判明した。市によると、結局、清掃は行われず、業者は今月、代金を返還した。市の聞き取りに、前課長は「23年度の予算を残しておきたかった」などと説明しているという。 市は「市民の信頼を失墜させる行為」として謝罪。再発防止に向け、法令順守を徹底するとした。