原作コミックの『広島編』を描く、菅田将暉主演の映画『ミステリと言う勿れ』
しゃべり続ける天然パーマの大学生 ・久能整の魅力!
田村由美の同名コミックを、菅田将暉主演で実写化した人気ドラマの映画版「ミステリと言う勿れ」のBlu-ray&DVDが、3月8日にリリースされる。 この作品は、もじゃもじゃの天然パーマでおしゃべり好きな大学生・久能整が、様々な事件に巻き込まれ、記憶力と事実から推測し、謎を解明していくもの。特長的なのは彼が人の心に寄り添う能力に優れていることで、加害者や被害者の心理を読み解きながら整が言う言葉は、事件にかかわる人々の心と解きほぐしていく。また彼は非常にこだわりが強い性格で、そのため人の好き嫌いが激しく、友だちも限られているという、ちょっと“痛い”キャラでもある。菅田将暉は2022年のTVシリーズから原作者がイメージした整になりきって、しゃべり続ける天然パーマの大学生を見事に演じ、ドラマも高視聴率を獲得した。
謎の遺言状をめぐって、遺産争いが巻き起こる
テレビシリーズの続編的な今回の作品は、原作の通称“広島編”と呼ばれるエピソードの映画化。絵画鑑賞が趣味で広島へ印象派展を観に来た整は、女子高生の狩集汐路(原菜乃華)にバイトを持ち掛けられる。狩集家では彼女の祖父の遺言状が公開される予定で、その遺言は汐路の命にかかわるので、ボディガードになってほしいというのだ。狩集家の遺言公開の場に参加した整。遺言では故人の孫である汐路を含めた4人の孫それぞれに狩集家の蔵が与えられ、その蔵に『あるべきものを、あるべきところへ過不足なくせよ』という指示が、遺言には書かれていた。この謎を解いた者一人に遺産すべてが与えられることになり、4人の遺産争いが始まる。 複数の相続者による遺産争い、謎を含んだ遺言状と、劇中でも整が言うが導入は横溝正史の『犬神家の一族』を思わせる展開。汐路以外の孫たちを柴咲コウ、町田啓太、萩原利久が演じていて、横溝ものならどろどろの愛憎渦巻く惨劇が始まるのだが、ここでの孫4人は整の存在によって、互いに協力して蔵の謎を解明するチームになっていく。だが背景には8年前に起こった、4人の親たちが亡くなった自動車転落事故が影を落としていて、これが事故か他殺かはいまだに不明。整と4人は、蔵の謎に加えて自動車事故の真相にも向き合っていくことになる。このチームにもう一人、狩集家の顧問弁護士の孫で、汐路の初恋の相手でもある車坂朝晴(松下洸平)が参加する。ここから先は映画本編を観てほしいが、最初に汐路が言ったように狩集家では代々、遺言に絡んで不審な死人が毎回出ていて、遺産相続者には死の危険が付きまとう。整自身も命を狙われたことで、やがて彼は能動的に事件解明に乗り出していくのである。