大倉山駅（写真／PIXTA）

港北区役所まで来ると、3位になったもう一つの駅である大倉山駅の東口までは徒歩7分ほど。駅東口と区役所の間には商店街が広がり、スーパーや精肉・青果などの個人商店、ファミレスやラーメン店などがひしめいている。東口側からスーパーがある高架下をくぐり抜けると西口側へ。こちらにも商店街があり、飲食店は東側よりもバラエティに富んでいる。商店街の北側に迫る高台一帯は「大倉山公園」。約220本が咲き誇る梅の名所として知られる園内は緑豊かで、横浜市の有形文化財である白亜の洋館「大倉山記念館」も立っている。 大倉山駅周辺には複数の公園が点在し、駅から東へ歩いて20分～30分ほどの丘陵地にはうっそうとした森が残された「獅子ケ谷市民の森」が広がる。その近くには約220店舗が集結したショッピングモール「トレッサ横浜」もあり、便利な商業施設も豊かな自然も兼ね備えた街と言えるだろう。大倉山駅には各駅停車しか止まらないが、隣の菊名駅で急行に乗り換えると横浜駅まで計約10分で行けるほか、各駅停車でも横浜駅まで6駅・約11分。渋谷駅に行くには、1駅隣の綱島駅で急行に乗り換えて計約30分だ。

渋谷にも横浜にも約18分、隣駅より価格相場がガクンと安い新丸子駅に注目！

※田園調布、多摩川の各駅は調査対象物件数が20件未満のためランク外

ここまで見てきたトップ3（4駅）以降も、ランキング上位は神奈川県内の駅が占めていた。神奈川県側の起点駅である11位・横浜駅の価格相場が6680万円で、そこから渋谷方面に進むにつれて価格相場は徐々に下降。4駅目の1位・妙蓮寺駅を底として、価格相場はゆるやかに上昇に転じていく。ただし、横浜駅から10駅目、特急停車駅である川崎市中原区の12位・武蔵小杉駅は価格相場が8230万円と、周辺エリアから抜きん出て高い。武蔵小杉駅はJRの南武線・横須賀線、湘南新宿ラインとの接続駅で交通の利便性が高く、再開発により高層マンションや商業施設が増加。近年は「住みたい街」として注目度が上がったので、この価格相場も納得だろう。

新丸子駅周辺の様子（写真／PIXTA）

そんな武蔵小杉駅の両隣に位置する元住吉駅・新丸子駅は、ともに価格相場は5980万円で9位にランクイン。1駅違いで2250万円もの差があるわけだ。しかも新丸子駅～武蔵小杉駅間は東急東横線で最も駅間距離が短い区間であり、わずか500mほどしか離れていない。人気の駅・武蔵小杉に近接しながらも価格相場が抑えられている、新丸子駅周辺とはどんな街だろう？ 9位・新丸子駅が位置するのは、武蔵小杉駅と同じ川崎市中原区。駅から東へ15分ほど歩き、多摩川に架かる丸子橋を渡るともう東京都大田区だ。多摩川の河川敷は散策やジョギング、緑地広場でのピクニックなど、息抜きに訪れる地域住民の姿も多い。新丸子駅周辺は西口側、東口側ともに商店街が広がっていてにぎわいがあり、日々の買い物から食事までコンパクトな範囲で済ませられるだろう。そして、駅から南へ5分少々も歩くと武蔵小杉駅前に到着！　こちらの駅周辺は、ショッピングモール「グランツリー武蔵小杉」をはじめ商業施設がさらに充実。JRの南武線・横須賀線、湘南新宿ラインも利用できるので、新丸子駅寄りに住みつつも武蔵小杉駅まで歩いてから電車に乗る人もいるだろう。