沖縄・玉城知事〝独自の地域外交〟の危険 訪中も領海侵入には一切抗議せず 中国の「駒」に替えられる親中外交に過ぎない
台湾関係者は「『地域外交』と言うが中国重視に偏っており、バランスを欠く」と指摘する。玉城知事の動向を「非親台派知事」という見出しで報じる台湾メディアもあった。
今年5月、ラーム・エマニュエル駐日米国大使が台湾に近い日本最西端の与那国町と、尖閣諸島を抱える石垣市を訪問した。「台湾有事」をにらみ、「米国は北海道から与那国まで日本全体にコミット(関与)する」と中国を強く牽制(けんせい)した。
■中国の「駒」に替えられてしまう
玉城知事はエマニュエル氏の訪問前、大使が移動に軍用機を使用したことを理由に、米側へ与那国、石垣両空港の使用自粛を要請した。訪問後には「台湾に近い場所を訪れるのは緊張をもたらす」と懸念を表明した。中国は喜ぶだろうが、果たして沖縄の「県益」にかなった言動だろうか。
玉城知事が言う「独自の地域外交」なるものは、実際には「親中外交」でしかなく、沖縄を中国の「駒」につくり替えてしまう。「外交」と称し笑顔と握手を振りまけば万事丸く収まるような幻想を、県民に与えた罪は大きい。
=おわり
■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。