パート先で寸志が「1万円」出ました。フルタイムで正社員と同じだけ働いているのに、ボーナスより少ないのは理不尽ではないでしょうか…?
パート先で1万円などの寸志が出ても、正社員がもらうボーナスのことを考えると、素直に喜べないかもしれません。特にフルタイムで同程度の貢献をしているなら、金額の差について理不尽だと感じる場合もあるでしょう。 そこで本記事では、パート社員と正社員の待遇に関して、このような違いがあっても問題はないのかということを解説します。
そもそも寸志とは?
まず前提知識として、寸志とはどのようなものか理解する必要があります。「寸」の意味が分からない人は、一寸法師という小さな主人公が活躍する昔話を思い浮かべると良いでしょう。 本来は長さを表す短い単位であり、わずかな程度を表現する際にも使われるようになりました。そして、「志」という言葉は、謝意を示すために渡す金品という意味を持っています。 つまり、職場で受け取る寸志とは、会社への貢献に感謝して贈られる少しばかりのお金です。一般的にボーナスとは別の扱いになっており、そちらより金額は低く設定されています。ボーナスの対象外である労働者に対し、その代わりとして支給しているケースも少なくありません。
不合理な差を禁止する同一労働同一賃金
2021年4月1日から「パートタイム・有期雇用労働法」が全面的に施行されています。パート社員や契約社員の労働環境改善を目的とする法律で、働き方改革の一環として制定されました。その中でパート社員と正社員の不合理な待遇の差を禁止しています。 事業主は同一労働同一賃金という概念に基づき、被雇用者を平等に扱わなければなりません。ボーナスが貢献度や労働時間で査定されるなら、それらが正社員と同じであるパート社員に、ボーナスより少ない寸志しか渡さないのは不合理です。この場合は同一の金額を支給する義務があります。 つまり、事業主の方針や会社の規定に問題があるため、法律的な観点から改善の要求が可能です。また、パート社員や契約社員の相談を受ける体制の整備も義務づけられています。最初に社内の担当窓口に相談し、対応してもらえない場合は公的機関を頼ることも視野に入れると良いでしょう。