「アベノミクス」をわかりやすく説明 (公共事業編)
安倍政権の経済政策「アベノミクス」の「3本の矢」のうち、2本目が公共事業です。公共事業とは、古くなった橋や道路や建物を直したり、新しく作ったりすることです(ちなみに公共事業は「財政政策」の一種です)。 あちこちで工事を増やせば、建設関係の仕事や給料が増え、その人たちがお金を使うようになって景気がよくなるというわけです。景気対策の手法としては珍しくありませんが、今回は過去の内閣と比べて税金を多めに使います。 政府は今年1月、公共事業を盛り込んだ「緊急経済対策」として、全部で20兆円の計画を発表しました。このうち地方自治体などが負担するお金を除くと、国が直接支払うお金は半分の10兆円。さらにその半分の5兆円が公共事業に使われることになっています。
今回の公共事業には、東日本大震災の被災地の復興工事(1.6兆円)のほか、昨年12月の中央自動車道笹子トンネルの天井崩落事故を受けた、トンネルや橋の補修工事(2.2兆円)が含まれています。 こうした対策によって、国の経済規模を示す国内総生産(GDP)が2%アップし、60万人分の仕事が増えると、安倍首相は言います。 公共事業には批判もあります。予算のバラマキで無駄が多いとか、効果があるとしても一時的で長続きしないと言われます。 国の借金(国債)がさらに増えて、返せなくなる恐れが高まるという心配もあります。今回は税金で足りない分、8兆円の借金をします。2012年度を通して見ると、国の予算の半分を借金でまかなっていて、国の借金の残高はおよそ1000兆円です。