円が対ユーロで最安値に接近、円キャリーとECB利下げ観測後退
政策委員会のメンバーであるビルロワドガロー・フランス中銀総裁は27日、6月と7月両方の会合で利下げをする可能性を排除すべきではないと、連続利下げに慎重な一部メンバーをけん制した。
ブルームバーグが行ったエコノミスト調査では、31日発表の5月のユーロ圏のインフレ率は前年同月比で2.5%上昇と4月の2.4%から加速すると予想されている。英国では先週発表された4月の消費者物価指数が予想を上回り、6月の利下げ観測が後退。ポンドは対円で200円台半ばを超えて2008年8月以来の高値を付けた。
三菱UFJ銀行金融市場部為替トレーディンググループの大原豪上席調査役は、強い経済指標を背景に年初から積み上がってきたドル買いポジションの一部に調整が入り、欧州通貨の買い戻しが強まっている面もあるとし、ユーロもポンドも円に対してもう少し上昇余地があるかもしれないと話す。
ポンドが上昇、対円で16年ぶり高値-上昇余地まだあるとの声も (2)
一部の投資家は対円で欧州通貨がさらに上昇する可能性に賭けている。米証券保管振替機関(DTCC)のデータによると、ユーロ・円では6月を期限とする行使価格175円15銭のオプション、ポンド・円では7月期限で行使価格202円ちょうどのオプションが取引されている。
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Daisuke Sakai, Yumi Teso