データとインテリジェンスの時代に成功する4つのポイント 　「データが燃料となるAI」――そのAIについてKurian氏は、外部機関が発表している予想を幾つか紹介した。「ほとんどの仕事で50％の自動化と効率化をもたらし、やりとりの方法が変革する。今後10年間で年7兆ドルの労働生産性の向上が見込まれている。また、世界のGDP（国内総生産）は年約100兆ドル、米国は年約25兆ドルを考慮すると、7％の生産性向上は驚くほど大きな数字だ」（Kurian氏） 　一方で、AIにはリスクもつきまとう。バイアスなどAIに潜むリスクもあれば、AIの“燃料”であるデータも狙われている。「ランサムウェア攻撃は前年比70％で増加しており、2023年に支払われた身代金は10億ドル以上に及ぶと報告されている」とKurian氏。今後はプライバシーなどの規則が強まり、それにも対応しなければならない。「これらのリスクへの対策と管理をしながら、安心してAIとデータを利用できるように実装しなければならない」（Kurian氏）と述べる。 　このような状況の中でKurian氏は、企業がAIで成功するためには、次の4つが鍵を握ると紹介する。 1.データとデータ戦略 　データ、データ戦略、データへのアクセス方法。自社にしかない高品質なデータを広範囲に時間、種類を問わずに統合し、適切に管理する。 2.深いドメインの洞察 　管理されたデータに対して、AIツールを活用して洞察を得ることができる。自社の業界についての深い理解がこれまで以上に重要になる。 3.テストと学習のオペレーティングモデル 　テスト、学習、適応をアジャイルに繰り返す運用モデルを確立する。 4.エコシステム 　ビジネスのエコシステムとデータのエコシステムの両方が必要。データのエコシステムとは、自社のデータセットを豊かにする補完的なデータ能力、補完的なデータソースが得られるエコシステムであり、これを豊かにすることで差別化につながる。 　NetAppが支援できるのは、（1)のデータとデータ戦略だ。 　Kurian氏は、記者向けのブリーフィングで、現在のAIをクラウド初期に例え、次のように述べた。 　「クラウドとオンプレミスは、それぞれサイロ状態で、二つの橋渡しが求められていた。AIシステムとデータシステムの間にギャップがある。われわれはその橋渡しをする」 　そして、同社のインテリジェントデータインフラ技術により、データにAIを持ち込むアプローチを採用できるとした。 （取材協力：ネットアップ）