元乃木坂46・中元日芽香さん「私が心理カウンセラーというセカンドキャリアを選んだ理由」
心を開いて話すことで、変わることがあると知りました
――確かに、日本ではカウンセリングを受けるというカルチャーがなかなか浸透しないという課題がありますね。 そうなんです。国民性的なものもあるのだと思いますが…。海外では、学校にスクールカウンセラーさんが常駐していて、進路相談や恋愛相談も気軽にできる文化があります。10代の頃から、カウンセラーが身近な存在としている。なので大人になっても、カウンセラーに相談することが、セルフケアのひとつとして選択肢に入っているんだと思います。 日本の学校にスクールカウンセラーさんが常駐しているというケースもこの10年で増えてきています。それでもやはり人の目を気にしたり、カウンセラーさんに頼っていると思われたくないという人が多いんです。会社には産業カウンセラーさんがいらっしゃることもあるけれど、「相談することで査定に響いたら嫌だな」とか、「悩んでることがまわりにバレたら嫌だな」と思う方は多いようです。スクールカウンセラー制をもっと整えて、10代の心がやわらかい時期にカウンセラーと触れる機会が増えることで、カウンセリングへの抵抗感を減らせるといいなと思っています。 ――中元さんも、カウンセラーさんと実際にお話しすることで、カウンセリングへのイメージが変わった方の一人ですよね。初めてカウンセリングを受けたときは、どのような感動がありましたか? それまでは、悩んでいることを人に相談するという考え自体がありませんでした。話す前は、「話しただけで何か変わるのかなあ?」と、正直あまり期待していない部分がありました。 カウンセリングの初めは「こうした方がいいよ」というアドバイスや「それは違うんじゃない」という否定もせず、ただただ話を聞いてくださいました。次第に質問をしていただいて、それに対して私も自分の言葉で返していくうちに「私ってこういうこと考えてたんだ」とか、自分でも自覚していなかったことに気づけました。そうして、カウンセリングの後半は、涙がポロポロと出てきたり、心がグラグラとしたり。座って話していただけなのに、終わったあとは疲労感がありました。 一見シンプルだし、対話自体は普段からいろんな人としていたつもりだったのですが。でも、「ああ、心を開いて話すって、こういうことなのかな」と、衝撃を受けました。