綱とりかかる琴桜「鍛錬積み重ねる」、常に目にしてきた「品格力量抜群」の高みへ
大相撲初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)の新番付が23日に発表され、11月の九州場所で初優勝を遂げた大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)が静かに闘志を燃やした。千葉県の佐渡ケ嶽部屋で会見に応じ、「一番一番に集中」とあらためて強調した。 自身にとって初めて、綱とりをかけて臨む場所となる。それでも心に揺れはない。大関として6場所目、3場所連続で東正位に座る番付が発表され、「地位が変わったわけじゃない。いつも通りの朝を迎えただけ」と淡々と話す。 祖父である先代琴桜がつけた綱を背に、この日の会見に応じた。物心ついたころから、横綱という地位の重みを感じてきた。自宅には先代が横綱に昇進した際の推挙状が飾ってある。「(その書状には)『品格力量抜群』と書かれている。心技体がそろい、全体において整ったものがないと上がれないと思う。残り2、3週間、まだまだ足りないと思って、しっかりと鍛錬を積み重ねていくしかない」。技術だけでなく、精神面においてもさらなる高みを求めていく。 大関に昇進し、初優勝も手にした24年。「良かったことも、悔しい思いをしたこともある。そういう意味でも、全体において経験になった1年」と実感を込める。25年初場所に向けて、「今まで以上に自分の持ってるものを、レベルをしっかり上げていくしかない。しっかりと強気な気持ちを持って勝負できれば」と決意を口にした。【奥岡幹浩】