沖縄県議選で自民圧勝 辺野古移転に弾み 選挙連敗後の反転につながるか
自民党は16日投開票の沖縄県議選で玉城デニー知事支持派を少数に追い込み、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に光明を見いだした。また、派閥パーティー収入不記載事件を受けて全国の選挙で連敗中だっただけに、反転攻勢につなげられるかも焦点となる。 「地元への丁寧な説明を行い、普天間飛行場の一日も早い全面返還実現のため全力で取り組む。辺野古移設が唯一の解決策との方針に基づき、着実に工事を進めることが普天間の危険性除去につながる」 林芳正官房長官は17日の記者会見で、県議選の結果についてコメントは控えるとした上でこう強調した。 県議会ではこれまで立憲民主党や共産党などの勢力が主導権を握り、辺野古移設阻止に向けた法廷闘争など玉城氏の取り組みを支えてきた。今回、自民など移設容認派が躍進したことを受け、県連幹部は「辺野古移設の動きが加速する」と期待を込める。 2年後には県知事選が控えており、自民としては県政奪還に向けて攻勢を強めたいところだ。茂木敏充幹事長は17日、東京都内で記者団に「この勢いを来たるべき知事選にもつなげていきたい」と意気込んだ。 一方、不記載事件が招いた与党不信の強まりで、自民は4月以降、衆院3補欠選挙や静岡県知事選などを落としていた。公認候補全員が当選を果たした県議選の結果は久しぶりの朗報となり、20日告示の東京都知事選や次期衆院選などにつなげたい考えだ。 小渕優子選対委員長は「逆風の中、歴史的に党勢が最も厳しい沖縄県において、勝利を挙げた意義は極めて大きく、今後の沖縄県政への影響のみならず、全国各地域の選挙にも大きな弾みになる」とのコメントを発表した。(永井大輔)