初回に本塁打のドジャース・大谷。敵地のファンを黙らせた (AP)

ナ・リーグ、リーグ優勝決定シリーズ第4戦（メッツ2－10ドジャース、ドジャース3勝1敗、17日、ニューヨーク）米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手（30）がメッツとのナ・リーグ優勝決定シリーズ（7回戦制）の第4戦に「1番・DH」で出場し、ポストシーズン（PS）の日本選手で初の初回先頭打者本塁打を放ち、2戦連発となる通算3号をマーク。3打数1安打1打点3四球、4得点で攻撃をもり立てた。チームは10―2で大勝して3勝1敗とし、4年ぶりのワールドシリーズ進出にあと1勝とした。 【写真】試合前セレモニーに登場したドジャース・大谷翔平、名前がコールされると球場全体から大ブーイングが起こった 敵地ニューヨークで試合開始早々、ドジャースペースに持ち込んだ。大谷がプレーボールから2球目、通算102勝左腕キンタナの甘いシンカーを一閃。2015年以降のPSでは3番目の速さとなる打球速度117・8マイル（189・5キロ）の初回先頭打者アーチを放ち、ブーイングを浴びせるニューヨーカーを黙らせた。 「フレディ（フリーマン）から『レイトショーはいいから早めに打ってくれ』と試合前に言われていた。（ベンチに）帰ってフレディと『打ったよ』という感じの話をしていました」 第3戦の八回に試合を決定づけるPS2号3ランを放った大谷は、右足首を負傷し第4戦を欠場したフリーマンから試合序盤での一発を期待されていたという。第3戦まで走者がいない場面で22打数（25打席）無安打と沈黙していたが、初安打が先制の一発となった。 前夜からの2打席連発でメッツ投手陣の気勢をそいだ。三回の第2打席から真っ向勝負を避けられ、3打席連続四球。そのたびに2番ムーキー・ベッツ外野手（32）が安打、適時二塁打、左越え2ランと奮起し、大谷の出塁を全て得点に結びつけた。 敵地での2連勝を呼び込んだMVP受賞経験者による1、2番のコンビは、互いに実力を認め合う。ベッツは、無走者の打席で凡退が続いた大谷に関する質問を「なぜ周囲がそれを話題にしているのか、よく分からない」と一蹴。「彼は最高の選手。たった20打席、人間だっただけだ」とフォローした。 過去2年の短期決戦で計2安打（7試合）と苦しんだベッツは今年のPSで3本塁打を含む10安打、10打点。大谷はその活躍ぶりに「ただただ楽しい。僕自身は一塁からでも二塁からでも、彼が打ったら得点する準備をしている。常にホームにかえるつもり」と全幅の信頼を置く。