中国経済の低迷続く、通年目標の達成困難か-習氏は未達容認との見方
胡偉俊氏らマッコーリー・グループのアナリストは、景気が10-12月(第4四半期)まで現在の勢いなら通年の成長率はその程度となり、「約5%の成長目標は達成できない」との見方を示した。散々な経済指標を受けてゴールドマン・サックス・グループなどウォール街の銀行は中国の通年の経済成長予測を引き下げ、その全てが公式目標の5%を下回っている。
中国が経済成長目標を達成できない場合、3年間で2度目になる。同国政府が1990年代初めに成長目標の設定を始めて以来、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が大きく響いた2022年は最大の未達だった。
習氏は先週、現行の政策を実施して「年間の経済・社会発展目標の達成に努力」するよう当局者に呼びかけ、成長率が5%をやや下回っても容認する様子を見せた。この言い回しは、目標を「断固として」達成するよう求めた7月に比べ、強くはないように思われるからだ。
「習氏は5%成長達成で当局者に過度の圧力をかけないようにしている」とスタンダードチャータードの大中華圏・北アジア担当チーフエコノミスト、丁爽氏は指摘。「当局者が政策を忠実に実行している限り、最終的な成長率が5%を小幅に下回っても容認されるだろう」と述べた。
習氏は北西部の甘粛省で開かれた共産党幹部との会合で発言した。同省は債務水準が高いとして中央政府から警告を受けた12の地方の一つだ。
中国の地方はかつて成長のけん引役を果たしたが、今では支出に及び腰だ。今年1-8月の新規の地方特別債の発行は2021年以来の鈍いペースで、ブルームバーグがまとめたデータによると、今年はまだ地方合計で約1兆4000億元(約28兆円)の発行枠が残っている。
中央政府が介入し、予算を修正して財政赤字拡大を決定した昨年の異例の措置が再現される可能性もあるが、今年の目標達成に向かうには時間も不足している。
丁氏は「追加的な刺激策が今すぐ導入されたとしても、通年の成長に対する影響は限られる。今年はあと3カ月程度しか残っていないという現実を指導部は受け入れつつあるのかもしれない」との見解を示した。