サレへ・ベンバリーによる「クロックス」 多様な視点が生み出すデザインに迫る
――今回のコラボレーションモデル“サル”について教えて欲しい。
サレへ:新しいデザインは、「クロックス」とのコラボレーションでやってきたブランドアイデンティティーやデザインアイデンティティーを、より多くの人に届けることを目指したんだ。コラボレーションの中で、僕たちは3年間、積極的に消費者と対話を続けてきた。これまでにパリで2回、ドバイで1回、そして今回の東京と、ポップアップイベントも開いてきた。たいていのシューズは10カ月で寿命を迎え、ブランドは次のシューズに移行していく。そのデザインアイデンティティーを生かして、さまざまな価格帯のさまざまな商品を開発するんだけど、“サル”もそれと同じく、次の新しいシューズにあたる。“ポーレックス クロッグ”では、カラーも大胆で明るい色を選んだけど、“サル”はよりシンプルなフォームで、カラーも自然に結びつくように控え目にした。これまでとは異なる消費者に訴えかけるためだよ。
――“サル”というネーミングの由来は?
サレへ:北海道の沙流川(さるがわ)から付けたんだ。沙流川は過去に日本の(一級河川の)水質調査で1位に選ばれているというのを見かけたからね。今回のコンセプトにぴったりだと思った。ネーミングは、コミュニケーションを生み出すからすごく大切にしている。
――シューズに限らず、将来、デザインしてみたいものはある?
サレへ:歯ブラシをデザインしたいね。歯ブラシはかなり長い間、あまり変わっていないと思うんだ。「ダイソン」の掃除機やハンドドライヤーは、何十年も変わっていなかったものをより良いものにした。全ての人が使う製品を再考することが重要なんだよ。それがビジネスチャンスでもあると思う。