【ライブレポート】ASPがついに立った日本武道館で堂々パフォーマンス、7人の挑戦は続く
ASPが昨日10月8日に自身最大規模の会場となる東京・日本武道館で単独公演「We are in BUDOKAN "The floor is all ours!!"」を開催した。 【動画】ASP / 2024.10.08 We are in BUDOKAN "The floor is all ours!!" at 日本武道館 [AFTER MOViE](他10件) ■ ASP、いざ日本武道館のステージへ ASPは、BiSHを輩出した音楽事務所WACK所属の7人組グループ。コロナ禍真っ只中の2021年3月に始動し、メンバーチェンジを経て2022年4月頃からユメカ・ナウカナ?、ナ前ナ以、モグ・ライアン、マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ、チッチチチーチーチー、リオンタウンからなる現体制で活動している。2023年12月に日本武道館での単独公演開催を発表してから約10カ月の間、7人はZeppツアーや47都道府県ツアーを行うなど、怒涛のライブ活動を展開。ともに戦い抜いてきた7人が迎えた決戦の舞台、それがここ日本武道館だ。 ASPの日本武道館公演は、結成初期のナンバー「拝啓 ロックスター様」で始まった。7人は腕を大きく振りながら「時代外れのロックスター あなたに会いたいよロックスター」と歌い、武道館にその力強い歌声を響かせる。大勢のならず者(ASPファンの呼称)も腕を振りながら声を上げており、メンバーとファンの熱い気持ちがぶつかり合って一体感が生まれていた。MCが始まると、ユメカの話し声がややかすれている。ASPはつい数日前までライブやイベントに多数出演しており、武道館に向けて日々懸命な活動を続けてきたことがそんな瞬間からもうかがえた。ライブ前半にASPは、失敗を恐れずに挑戦する思いが詰まった楽曲「レリゴ」までインディーズ時代のパンキッシュな楽曲を中心に7曲を披露した。 ■ ASP、本領発揮 ライブ中盤、スタイリッシュなメンバー紹介映像を経て、ドープなSEが流れ始める。ステージ上部にあるASPロゴのネオンサインが光り、無数のレーザーが空間を支配する。そこに衣装を着替えたASPのメンバーが登場し、挨拶代わりとばかりに「TOXiC iNVASiON」を投下。“既存の理想像・虚像の破壊”をテーマにしたこの曲からASPは、自らのリミッターを解除したかのごとく、怒涛のパフォーマンスを展開することになる。 ステージの上部とサイドに複数設置された大きなスクリーンには、サイケデリックなCG映像とメンバーの姿が混ざり合うように映し出される。7人の一心不乱なパフォーマンスと派手な映像演出が相まって、武道館の場内が鮮烈な非日常空間に変化した。先週発表されたばかりのメジャー1stアルバム「Terminal disease of ASP」の1曲目を飾る「TOTSUGEKI!!!!!」では、メンバーが一斉に「凸撃!」とロングシャウト。続いてファンシーで甘いお菓子のような映像をバックに届けられた「Blueberry Gum」では、ナ前ナ以が広いステージを端から端まで全力ダッシュし、大きな歓声を浴びた。 ライブ後半、チーチーが「大事な日にやりたくてとっておいた曲があります!」と話し、最新アルバムから「Anyway」へ。真っ赤な照明に照らされた7人は攻めの姿勢でボーカルリレーを行った。その後も、ナ前ナ以と元WACK代表・渡辺淳之介が作詞を手がけた最新アルバム収録曲「Too young to get it, too fast to live.」や、マチルダーが「気持ちをひとつにしたい」と呼びかけてから始まった絶叫系アッパーチューン「NO REASON」など人気曲が続々。最後はASPの始まりの歌とも言える代表曲「A Song of Punk」で締めくくられた。 アンコールでASPはまず、メジャーデビューを飾ったハイパポップチューン「Hyper Cracker」を披露。MCではメンバー1人ひとりが思いを語った。 ■ アンコール / ASP コメント □ ナ前ナ以 私は今日がASPの新たなスタートの日だと思っています。今までASPがスタートを切るときはいつも支えてくれる誰かがいてくれました。今日の武道館はみんなで立った武道館ではないでしょうか! 今日は本当にいい日でした。本当にカッコいい日でした。今日はスタートの日なので明日も明後日もこの先も一緒にカッケーことしましょう! 本当に会えてよかったです。ありがとうございました! □ チッチチチーチーチー ライブハウスにいるとよく、私はこんなにちっちゃいので「チーチー埋もれて見えないよ!」って声が聞こえてきます。ぎゅうぎゅうのライブハウスが私は大好きなんです。でも今日は「見えなかった!」なんて言わせないです。右にも左にも上にも今日はこんなにたくさんの人が集まってくれて、どこからでも観てもらえる。こんな大きな会場でライブができたこと、本当にうれしく思います。そして私たちASPはいつだって、ライブハウスだって、日本武道館だって、皆さんがいないと何も始まらないです。皆さんがいなきゃ意味がないです。だからこれからもずっとASPのそばにいてくれたらうれしいです。今日は本当にありがとうございました。 □ リオンタウン 今日この日が来るまで、何度も武道館に立って歌うことを想像してきて。そのたびにワクワクしながら過ごしてきました。今日ここまで歌ってきた曲は、私の緊張を楽しみに変えてくれた曲。勇気や自信をくれた曲が本当にたくさんあるんです。私はASPでこんなにカッコいい曲を皆さんと歌うことができて本当に幸せです。この先も皆さんと歌っていきたいし、今日で終わりじゃない。まだまだ先があるから、この曲たちと成長していきます。今日は来てくれて本当にありがとうございました。 □ ユメカ・ナウカナ? ASPが武道館に立つよって知ったときに、ASPでのそれまでのことを思い返していたんです。そのときにASPって名前をもらったときのことを思い出しまして。「なんかすげーこと始まるな!」ってゾクゾクしたことを覚えています。そこから始まって、すべては当たり前じゃないものばかり。メジャーデビューも、アルバムの発表も、そしてこうやって日本武道館に立てていることも。感謝してもし切れない。もらうもの1つひとつが、ASPが始まるときのゾクゾクした気持ちが間違いじゃなかったんだなと証明してくれた気がしています。そして今日、武道館に立った私は、またちょっと夢が叶っちゃった私は、何かすごいことが起こるんじゃないかなって楽しみに待つだけじゃなくて、今日会えたみんなとまたでっかい夢を見て、それを現実にできるようにがんばっていきます。今日は本当にありがとうございました。 □ モグ・ライアン 今日もたくさんならず者の顔が見えて、何度も目が合って、そのたびにいっぱい力をもらって。どんなにぎゅうぎゅうなライブハウスでも、こんなにおっきい武道館でもそれは変わらないんだなって、ちょっと安心しました。武道館まで一緒に来てくれて本当にありがとうございます。明日からはもう私たちは、「武道館に立ったASP」です。ここで終わりじゃないし、この先もどんな曲を歌ってもどんな場所で歌っても、皆さんと目と目を合わせていられるこの時間が何よりも大事です。武道館にどーんと立って、みんなについてきてもらえるような自分にも憧れるけど、この先もならず者とこのメンバーと一緒に泣いて笑って、大きくなっていきたいです。これからも一緒にいてください。よろしくお願いします。 □ マチルダー・ツインズ 私は初めてASPが武道館に立つと知ったとき、なんのドッキリかと思いました。だってASPにとって武道館って本当に大きい場所で、背伸びしてもそう簡単に届く場所ではないから。けど、私は刺激を求めてここに飛び込んできました。自分が安心する場所よりも成長できる場所で生きたいって思うから、今日ASPとして武道館まで突き進んでこれたこと、皆さんと一緒にライブができたこと、本当にうれしいです。今日はありがとうございました! □ ウォンカー・ツインズ 日本武道館、今日は来てくれてありがとうございました! 私はこれから先、日本武道館っていう言葉を見たり聞いたりして、一番先に思い浮かぶのは、誰かのライブじゃなくて、今日のASPのライブが真っ先に思い浮かぶと思うんです。それがすっごく誇らしくて。皆さんも何かのきっかけでASPのライブを思い出してくれたらすごくうれしいなと思います。最後に今日集まってくれたならず者に聞きたいことがあるんですけど、いいですか? これからも皆さんのことをならず者と呼んでもいいですか! ありがとうございます、これからもよろしくお願いします! ■ 武道館アーティストの仲間入り 7人それぞれの思いのこもった挨拶に続いて、初期からライブハウスで歌い続けてきた熱い魂のこもったナンバー「SAKEBE」へ。ASPとならず者は拳を力強く掲げて、タイトルの通り、渾身のシャウトを武道館いっぱいに響かせた。そしてラストに披露されたのは、アッパーなロックチューン「M」。ASPは「あなたに出会えてよかった ずっとずっと一緒にいたいんだ 僕が狂ったのは君のせい それでも 君に会えてよかった」と、思いを歌に込めてならず者に届けた。雨の降りしきる10月8日、こうしてASPは日本武道館アーティストの仲間入りを果たした。 ■ セットリスト □ ASP「We are in BUDOKAN "The floor is all ours!!"」2024年10月8日 日本武道館 01. 拝啓 ロックスター様 02. BOLLOCKS 03. the MAN CALLING 04. 日々是虚無也 05. TRUST MYSELF 06. SPiT OUT 07. レリゴ 08. TOXiC iNVASiON 09. Black Nails 10. TOTSUGEKI!!!!! 11. NO COLOR S 12. Blueberry Gum 13. darma 14. Anyway 15. PLEASE!!! 16. Tokyo Sky Blues 17. I HATE U 18. Too young to get it, too fast to live. 19. NO REASON 20. ITSUMO KOKOKARA 21. MAKE A MOVE 22. Heaven's Seven 23. A Song of Punk <アンコール> 24. Hyper Cracker 25. SAKEBE 26. M