【土砂災害を知る】地すべり・土石流・がけ崩れの違いは?日本最大級「亀の瀬地すべり」もし滑ったら奈良盆地が沈む?命を守る手立ては?専門家に聞いた
がけ崩れ…街でも起きうる『都市型斜面災害』
続いての災害は『土石流』。時速20~40キロほどで、上流から川の水と土砂が混ざって流れてくる災害です。こちらも何度も同じ場所で起きる特徴があります。逆に言うと、治水地形分類図や、ハザードマップで前もってリスクを知ることができます。 そして『がけ崩れ』。傾斜30度以上の急斜面が落ちることを言いますが、川が削って自然に急斜面になったものと、人が削って急斜面になったものがあります。宅地造成の「切土や盛土」による急斜面のがけ崩れは、『都市型斜面災害』と呼ばれます。 都市型斜面災害は、民間の土地で起きることが多く、トラブルとなる場合もあります。ただ、民間の土地であっても急傾斜地対策として公の補助が出る可能性もあるということです。
◆センサーで命守る取り組み
防災の技術をひとつ紹介しましょう。京都市福知山市の民家の裏山に、傾斜センサーが設置されています。 「山の土壌が少しでも動いたらセンサーが感知して、携帯電話に教えてくれるようになっております」(自治会長) この場所では10年前、豪雨による土砂崩れがおきました。自治会長は2年前、再び訪れるかもしれない土砂災害から住民の命を守れないか、と東京の企業の協力を得て、センサーを3か所に設置しました。 自治会長は「センサーを基準として、避難をみんなが早めにしていただいて、命が助かれるような状態ができている。安心です」と話していました。
土砂崩れを事前に知る技術として、ワイヤーを設置して、その伸びを計測するものや、衛星から映像でチェックするもの、土中の水圧を調べるものなども挙げられています。 未災(みさい)。災害はいつ来てもおかしくない、という意識を持ちましょう。ハザードマップ・地すべり地形分類図・治水地形分類図・大規模盛土造成地マップ、これらをチェックして事前に知ることが大切です。(MBS「よんチャンTV」2024年7月2日より)